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焦点:米MBSファンドが人気、住宅市場低迷でも高利回りに魅力

[ニューヨーク 30日 ロイター] 米国の住宅市場はなお低迷しているが、ことしのウォール街ではモーゲージ(不動産担保貸付債権)関連資産に投資するファンドが大人気だ。

4月30日、米国の住宅市場はなお低迷しているが、ことしのウォール街ではモーゲージ関連資産に投資するファンドが大人気だ。写真は昨年8月、羽田空港で撮影(2012年 ロイター/Yuriko Nakao)

ヘッジファンドから投資銀行に至るまで、数多くの金融機関がモーゲージファンドを立ち上げた。モーゲージ担保証券(MBS)に投資するものが多いが、割安感の出たモーゲージ自体の物色に焦点を絞ったファンドもある。

実質ゼロ金利政策下で投資家は高利回りを渇望しており、モーゲージ関連投資は、住宅市場が上向いた際に値上がり余地のある魅力的な資産クラスだとみられている。

たとえ住宅販売と価格が回復しなくても、MBSは国債に比べて利回りが高いため運用成績は良好だ。ただし金利が急上昇したり、米経済が大幅に悪化してモーゲージのデフォルト(債務不履行)が急増する場合にはリスクが大きい。

ことしに入ってモーゲージファンドを立ち上げたのはマグネター・キャピタル・マネジメント、ニューバーガー・バーマン、モルガン・スタンレーMS.N、ゴールドマン・サックスGS.N、スターク・インベストメンツなど。

ダブルライン・キャピタルやパシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)など、その他の大手投資運用会社もモーゲージ投資を増やしている。

銀行が複雑な証券化商品の組成を競って金融危機を招いたサブプライム住宅ローンブームが再来したわけではない。投資家が関心を示しているのは、質の高いモーゲージ証券であるにもかかわらず大幅に値下がりし、住宅市場が落ち着きを見せ始める中で割安感の出てきた資産だ。

スタークの共同創設者、マイケル・ロス氏は「この資産クラスには間違いなく投資家の関心が高まっている。運用担当者は、関心があるのを知っているので商品を携えて市場に登場したがっている。利回りに飢えた投資家が食欲を満たせる場所があるだろうか。投資家は、他の場所で利回りが得られないかと様子をうかがっていたが、そんな場所は無いことが分かったのだ」と話した。

こうしたファンドの中には、住宅ローンや不動産担保ローンの中でも、特にディストレスト債権(破綻債権)に投資するものもある。

eベストメント/HFNによると、株式市場が混乱した昨年、モーゲージファンドの投資収益は9.2%と健闘した。ヘッジファンドは平均マイナス5%だった。

S&P/ケースシラー住宅価格指数によると、2月の米主要20都市圏の住宅価格は2002年末以来の低水準だった。しかし季節調整済みでは前月比0.2%上昇するなど底打ちの兆しも見えている。

スターク・インベストメンツは第1・四半期に「スターク・モーゲージ・オポチュニティーズ」を立ち上げ、このファンドに詳しい筋によると目標額3億ドルに対して既に1億ドルが集まった。

マグネター・キャピタルも3月に「マグネター・モーゲージ・セキュリティーズ・ファンド」を設立し、当局への申請書類によると3月13日時点で1億ドル以上の資金を集めた。

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントは第1・四半期にモーゲージ関連ファンドを2つ立ち上げた。

ゴールドマン・サックスの「USハウジング・リカバリー・ファンド」は、サブプライムローン債券を含むノンエージェンシーMBS(政府関連機関の保証が付かないMBS)に投資する。

ニューバーガー・バーマンが最近立ち上げた「プリザベーション・レジデンシャル・モーゲージ・ファンド」は住宅ローン債権の中でもディストレスト債に投資する。マネジングディレクターのテレンス・グロムスキー氏は「絶対値ベースで見ると、ディトレストMBSも住宅ローンも、他のどんな高利回りセクターと比較してもなお割安だ」と話す。

<サブプライムローンの魅力復活>

サブプライムローン債券でさえ投資家の関心を引き付けている。

ローン・バリュー・グループのエグゼクティブ・バイス・プレジデント、フランク・パロッタ氏は「ディストレスト債権分野に投じられる資金は有り余っている」と言う。

サブプライム住宅ローン債券はことし第1・四半期に上昇した。マークイットが算出するサブプライムRMBS20件(2005年下半期発行で当初格付けがトリプルA)のバスケット指数は、昨年下半期に3%下落したが、ことし第1・四半期には約3.3%の上昇に転じた。

パムリ・キャピタル・マネジメントを昨年創設したファイサル・サイード氏は、欧州債務危機が深刻化した昨年後半、ノンエージェンシーMBSを安値で拾った。

サイード氏は「ノンエージェンシー・モーゲージ市場は2011年半ばに緊張にさらされたため、一部の証券は魅力的な価格になったと判断した。損失調整後の利回りは高リスクの社債やソブリン債よりも高い」と説明。「住宅市場が改善しなくてもこうした利回りは達成できる。しかし住宅市場が改善を始めれば、上値余地は大きい」と続けた。

(Katya Wachtel記者)

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