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焦点:ギリシャだけでない銀行預金流出、昨年ベルギーや仏伊でも

[ロンドン/アテネ 17日 ロイター] ギリシャのパプリアス大統領と各政党党首の会談議事録によると、同国では14日だけで少なくとも7億ユーロの預金が銀行から引き出されことを受け、政府内に大規模な取り付け騒ぎが起きるのではないかと動揺が走った。

5月17日、ギリシャ以外の国でも銀行の預金流出が発生していたことが明らかに。写真はスペインの銀行バンキアに設置されたATM。10日撮影(2012年 ロイター/Paul Hanna)

しかし、自分の預金がどうなるか心配なのはギリシャ国民だけではない。17日には一部国有化されたスペインの銀行のバンキアBKIA.MCで10億ユーロを超える顧客の預金が引き出されたと伝えられた。また統計によれば、昨年はベルギーやフランス、イタリアの銀行からも預金が流出した。

ギリシャでは、ユーロ圏を離脱すれば通貨価値が急激に切り下げられて預金が打撃を受けかねないと懸念されている。15日にも前日とほぼ同規模の預金引き出しがあったと2つの銀行の関係筋がロイターに語った。

IGマーケッツ・フランスのアルノー・プーティエ副最高経営責任者(CEO)は「ギリシャの銀行システム全体が危機にある。銀行はあらゆる結果の中で最悪の事態である預金が逃げ出すという事態に直面している」と指摘した。

ギリシャの銀行から預金の流出が始まったのは、債務危機が深刻化した、少なくとも2年前からで、トムソン・ロイターの集計では、2010年初めからの流出額は720億ユーロに達する。

昨年のギリシャ大手5行の預金流出額は370億ユーロで、EFGユーロバンクEFGr.ATからは120億ユーロ、ギリシャ・ナショナル銀行NBGr.AT、ピレウスBOPr.AT 、アルファバンクACBr.ATからはそれぞれ80億─90億ユーロが流出した。

こうした流出はペースがゆっくりなので今のところパニックは起きていないが、銀行への信頼が突然失われれば、事態は急変しかねない。

英国のノーザンロックも2008年9月に一夜にして信頼をなくし、大半の預金は保証されたにもかかわらず、現金引き出しの長い列ができた。結局、英政府はノーザンロックを国有化した。

M&Gインターナショナル・ソブリン・ボンド・ファンドの資産運用担当者、マイケル・リデル氏は「(ギリシャの預金流出は)比率的には大きな数字ではないかもしれないが、非常に憂慮すべきストーリーだ。ユーロ圏においてわれわれが目にしているのは、スローモーションで起きている銀行取り付けだ」と話した。

<預金シフト>

欧州の120を超える上場銀行のデータを分析すると、昨年は欧州全域で劇的な預金シフトが生じていたことが分かった。

ベルギーのデクシアDEXI.BR、KBCKBC.BRの2行だけでも1200億ユーロ強の預金が流出。フランスの銀行も昨年はギリシャに対するエクスポージャーの大きさが響き、流動性への懸念が出たため、クレディ・アグリコルCAGR.PAとBNPパリバBNPP.PAからそれぞれ約300億ユーロが出ていくなど、流出額は計900億ユーロ程度に上った。またイタリアの銀行から約300億ユーロが流出した。

逃げ出した預金は英国に流れ込んだ。4大銀行だけでも1400億ユーロ以上の新規預金が入り、アジアを重視しているHSBCHSBA.Lやスタンダード・チャータードSTAN.Lは特に安全な避難先とみなされた。

英銀以外で大幅に資金が流入したのは、ドイツ銀行DBKGn.DEやスイスのクレディ・スイスCSGN.VX、UBSUBSN.VX、ロシアのズベルバンクSBER.MM、VTBVTBR.MMだった。

(Steve Slater、George Georgiopoulos 記者)

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