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焦点:米多国籍企業の業績見通し下方修正相次ぐ、欧州情勢悪化が背景

[ニューヨーク 21日 ロイター] 米国の大手多国籍企業は世界的なビジネス活動の低下で打撃を受け、四半期決算での業績悪化を警告する企業の比率が約10年ぶりの高水準に達した。

6月21日、米国の大手多国籍企業は世界的なビジネス活動の低下で打撃を受け、四半期決算での業績悪化を警告する企業の比率が約10年ぶりの高水準に達した。写真はニューヨーク証券取引所(2012年 ロイター/Brendan McDermid)

ダウ工業株30種.DJIの構成企業2社を含む多くの代表的企業が、この数日間に欧州経済の減速を理由に業績悪化の見通しを公表した。トムソン・ロイターのまとめによると、第2・四半期の業績見通しは引き上げと引き下げの比率が1対3.6となり、引き下げの比率は2001年第3・四半期以来の高水準を記録した。

トムソン・ロイターによると、アナリストが予想するS&P総合500種.SPX構成企業全体の第2・四半期利益の伸び率は6.3%。4月1日時点の予想は9.2%だった。業績好調のアップルAAPL.Oを除くと伸び率予想は5.5%に下がる。

第2・四半期に予想される利益の伸びの大半は金融セクターの伸びによるもので、これはバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)BAC.Nが前年同期に住宅ローン問題での和解に絡んで巨額の損失を計上し、今年第2・四半期に業績の大幅な伸びが見込まれるためだ。バンカメを除くとS&P500種構成企業の予想利益の伸び率は1.1%にとどまる。金融セクターの予想利益の伸び率は13.6%。金融セクターを除けば0.5%の低下だ。

トムソン・ロイター(ニューヨーク)の企業業績調査アナリストのグレッグ・ハリソン氏は「全般的に景気が鈍化し、欧州への懸念もあるため、第2・四半期に(業績の)大きな伸びは見込めない」と話した。

この数日間に飲料・食品のペプシコPEP.N、貨物大手フェデックスFDX.N、たばこのフィリップ・モリスPM.Nが欧州情勢への懸念から見通しを下方修正した。20日には日用品大手のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)PG.Nも欧州と中国での需要鈍化を理由に、この2カ月間で2回目となる下方修正を発表。雑貨小売り大手のベッド・バス・アンド・ビヨンドBBBY.Oは同日、電子商取引(eコマース)分野での事業改善に向けた出費が予想よりも早まったとして、見通しを引き下げた。

先週は航空機エンジン・機械大手のユナイテッド・テクノロジーズUTX.Nの幹部が、欧州の情勢悪化は年初時点の予想より深刻で、スペインでの販売への影響を懸念していると述べた。

サンアメリカ・アセット・マネジメントのマネーマネジャーのスティーブン・ネイメス氏は「欧州で並はずれて大きなリスクを抱える多国籍企業は、アンダーウエイトにするのが賢明だだろう。投資家は年内に事態が最悪に陥ることを心配しており、株価はこうした業績見通し下方修正に対してより強いマイナスの反応を示している」と話した。

見通しを引き下げれば企業にとってそれだけ目標達成が容易になるが、これまでのところ投資家から安心を得られていない。

米経済団体ビジネス・ラウンド・テーブルの調査によると、企業経営幹部の第2・四半期の景況感は悪化しており、売上高や雇用の増加を見込む幹部の割合は3カ月前の調査よりも減った。

(Ryan Vlastelica記者)

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