[東京 4日 ロイター] 野村証券は、代表的な国内債券ベンチマーク「NOMURA─BPI総合」の9月組入銘柄からシャープ6753.Tの無担保社債を除外した。相次ぐ格下げで、銘柄組入基準に合致しなくなったことが要因。
野村証券の関係者が4日明らかにした。
9月組入から除外された銘柄は、シャープの第22回債(償還2014年3月19日)、第23回債(償還2019年3月19日)、第24回債(償還2014年9月16日)、第25回債(償還2016年9月16日)、第26回債(償還2019年9月13日)。
シャープ債の格付けは、格付投資情報センター(R&I)が8月20日に「A─」から「BBB」に2段階引き下げた上で、格下げ方向のレーティングモニターを継続。スタンダード&プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)も8月31日、シャープ6753.Tの長期会社格付け・長期優先債券(既発債)格付けを「BBB」から「BB+」に2段階引き下げ、格下げ方向のクレジット・ウォッチを継続すると発表した。
市場は、インデックスからの除外をある程度織り込んでいた。「R&Iからの格下げに加え、主要取引銀行による融資で担保が求められるとの観測が出た時点で社債の回収率の大幅な低下が避けられないとの危機感が高まっていた」(機関投資家)という。シャープへの影響に関しては「事実上、直接金融市場からの資金調達の道を閉ざされた」(国内金融機関)との声が聞かれた。
野村証券では、NOMURA─BPIの銘柄組入基準として、A格相当以上の格付け取得や、残存額面10億円以上・残存期間1年以上などの条件を設定。銘柄の入れ替えは毎月月末に行っている。
(ロイターニュース 星裕康、片山直幸)
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