[ニューヨーク 10日 ロイター] 10日のニューヨーク外国為替市場では、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がスペインの格付けを引き下げたことを受け、終盤にユーロが対ドルで下落した。
ユーロ/ドルは0.2%安の1.2863ドル。
S&Pはスペインの格付けを「BBBマイナス」へ2段階引き下げた。リセッション(景気後退)の深刻化により政策の選択肢が限られつつあることを理由に挙げた。
BKアセット・マネジメント(ニューヨーク)のマネジングディレクター、キャシー・リーン氏は「(格下げ)がユーロを圧迫している」と述べ、「ムーディーズ・インベスターズ・サービスも続いてスペインを格下げする可能性がある。S&Pはジャンク(投機的)等級には引き下げなかったが、ムーディーズはジャンク級への格下げもあり得る」との見方を示した。
同氏はまた、格下げを受けてスペインの国債利回りが上昇し、同国政府が支援要請に踏み切る可能性が高まると指摘。「ユーロは1カ月ぶり安値水準となる1.28ドル近辺まで下げる可能性がある」と述べた。
S&Pによるスペインの格付け見通しはネガティブ。経済成長と財政状況に大きなリスクが存在するほか、ユーロ圏の政策の方向性が不透明と指摘した。
ユーロ/ドルはこの日、ほぼ終日プラス圏で推移していた。ただ、スペインの支援要請やギリシャに対する次回融資の実行をめぐる不透明感から、上値は重かった。
18─19日に開かれる欧州連合(EU)首脳会議ではスペインが焦点になる見通しだ。
スペインが欧州に全面支援を要請すれば、欧州中央銀行(ECB)による債券買い入れプログラムの実施が可能になることから、大半の市場筋はユーロの支援材料になるとみている。
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