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アングル:ヤクルトと仏ダノンの協議は越年へ、「対等な関係」構築が鍵

[東京 12日 ロイター] ヤクルト本社2267.Tと仏食品大手のダノンDANO.PAの提携・出資協議は、越年する見通しとなった。ダノンによる出資比率引き上げばかりが注目されるが、協議は提携内容全般にわたっている。

決着のキーワードは「対等な関係」。ヤクルトにとって不本意な形で始まったダノンとの提携関係をどこまで対等な形に修正できるかが、焦点となっている。

<ダノン保有株比率で微妙な変化>

交渉を担う川端美博副社長は9日、ロイターとのインタビューで「両社にとって最善の結果が出るように話し合おうというと、ある程度の時間がかかる。クリスマスや暮れ、正月早々はない」と述べ、協議決着は年明けになるとの見通しを示した。今年5月15日にダノンからヤクルトへの出資比率を現状維持にとどめる契約の期限が切れ、両社は、新たな関係について協議を続けている。

契約が切れる直前の5月の会見で、川端副社長は「ダノンの株保有比率増加は望んでいない」と明言した。しかし、先週9日の決算発表時の会見では、どこまでの引き上げなら許容できるかとの質問に対し「株保有比率については、交渉内容に触れるため言えない」と発言。ダノンによる株保有比率引き上げにやや含みを残した格好となった。

川端副社長はインタビューで「ダノンとは株保有を含めて提携全般について話し合っている。(ヤクルトとしては)今の保有比率のまま、もしくは減るなら良いが、それでは話し合いにならない」と述べており、頑なな拒否姿勢ではなく、歩み寄る余地があることを示唆した。

<提携は、双方が利益得られる関係へ>

ダノンによる株式保有比率をどうするかを含め、長引く協議を決着に導くのは、川端副社長が強調する「対等な関係の構築」がポイントになりそうだ。

両社の関係は、2000年にダノンが5%弱のヤクルト株を保有したことに始まった。この頃のヤクルトは、98年3月期にデリバティブ(金融派生商品)取引による多額の損失が明るみに出たほか、99年にはプリンストン債事件が起こるなど、企業として危機的状況にあった時期。その後、具体的な提携関係に至らないままに、2003年に20%まで保有比率を高めたのも、ダノンの一方的な動きだった。

川端副社長は「これまでの8年間の提携関係は両社が十分に利益を享受できたとは言えない状況にあった。協議を機に、両社の関係をきちっと見直し、議論することが大事と考えている」と述べているが、ダノンが得ているメリットに比べてヤクルトが得ているメリットは乏しく「不平等条約だ」と話す向きもある。

提携契約後、インドとベトナムは両社合弁で進出した。アジアを強化したいダノンにとっては、アジア展開で成功しているヤクルトと組む効果は非常に大きい。一方、ヤクルトのアジア・オセアニア事業は、2013年3月期予想で27%増収、61%営業増益と順調に拡大しており、海外展開において、ダノンの力をどれほど必要としているかは定かではない。

ダノンによる株保有率引き上げに見合うだけのメリットを得られるとヤクルトが判断する提携となれば、株式保有比率については、「資本を含む経営の独立性」の範囲内で、譲歩の余地もありそうだ。ただ、川端副社長は「どんどん株式が増えると、それによってプレッシャーがかかる」とも述べており「対等な関係」を維持するためには、ダノンによる株買い増し余地はそれほど大きくはないとも言えそうだ。

(ロイターニュース 清水 律子  編集 宮崎大)

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