for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

情報BOX:米FRB、インフレ・失業の数値基準採用めぐる議論

[19日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)は、金融政策の目安とするインフレ・失業の数値基準の採用をめぐり、意見調整を進めている。

11月19日、米連邦準備理事会(FRB)は、金融政策の目安とするインフレ・失業の数値基準の採用をめぐり、意見調整を進めている。写真はFRB本部。4月撮影(2012年 ロイター/Joshua Roberts)

FRB内部では、数値基準を採用すれば、将来の利上げ時期の予想が立てやすくなるとの声が多いが、数値基準が混乱や誤解を招きかねないとの懸念も出ている。

インフレと失業について具体的にどのような指標を採用するのかも問題だ。

また「少なくとも2015年半ばまで」超低金利政策を維持するという現行政策からの転換をどう説明するかという問題も残されており、意見集約を図るのは容易ではない。

以下、インフレと失業の数値基準導入をめぐる議論や課題についてQ&A形式でまとめた。

Q:FRBはすでにインフレ目標を採用しているのでは

A:FRBには雇用の最大化と物価の安定という2つの責務がある。FRBは従来、この2つについて明示的な定義を示してこなかったが、今年1月に2%のインフレ目標を導入することを初めて決定した。

現在FRB内で議論されている数値「基準」は潜在的な政策変更を示唆するためのツールであり、長期的な目標とは異なるものとなる可能性がある。

「インフレ率が特定の数値基準を超えるまでは低金利を継続する」と表明し、特定の基準に達した時点で政策を再検討するという手法も考えられる。

Q:失業の目標は

A:FRBは失業に関しては目標を導入していない。これは主に、1)失業率がどの程度低くなれば賃金の上昇圧力が強まるか、エコノミストの意見がまちまち、2)インフレを招かない失業率の水準が経済構造の変化に伴い変化する可能性がある──ためだ。

また、失業率が労働力人口の増減によって変動する可能性があることも、目標設定を困難にしている。FRBは雇用者数の増減や、労働市場の健全性を測る他の指標を注視しており、これらの指標を利用して数値基準を設定する案も出ている。

Q:特定の政策を維持する時間軸を示せばよいのでは

A:これはFRBが数年間行ってきたことで、多くの政策当局者はこのアプローチに懸念を示している。2015年半ばまで超低金利政策を維持する方針は、経済動向にかかわらず、今後3年間、低金利が続くことを約束していると受け止められる恐れがある。一方、失業やインフレが一定の水準に到達するまで、低金利を維持すると表明すれば、FRBは経済状況の変化に応じて政策を調整することが可能になる。

Q:具体的な数値基準はどのようなものになるのか

A:3人のFRB当局者はすでに数値基準に沿った政策を提案している。シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、インフレ率が3%を上回らない限り、失業率が7%を下回る水準に低下するまで、超低金利政策を継続するべきと主張。ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁は、インフレ率が1.75─2.25%の範囲内にとどまる限り、失業率が5.5%に低下するまで超低金利政策を維持すべきと提案した。失業率5.5%は多くのエコノミストが完全雇用とみなす水準。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、インフレが抑制されている限り、失業率が7.25%を割り込むまで資産買い入れを継続し、その後も失業率が6.5%に達するまで低金利政策を継続すべきだと主張している。

Q:非常に良い案であるなら、なぜ導入しないのか

A:政策当局者の間では数値基準に沿った枠組みへのシフトは有益との見方が大勢であるものの、具体的な数値で意見を一致させることは難しい。

数値基準が、自動的な政策対応への引き金になるとの誤解を招く恐れや、長期的な経済の健全性に関するFRB当局者の見解と混同される可能性も懸念されている。

インフレ率は目標の2%をどの程度上回れば「高すぎる」と言えるのか。コチャラコタ総裁は「零点数パーセントポイント(a few tenths of a percentage point)」、エバンズ総裁は「1%ポイント」との見解を示している。

失業率についても、エバンズ総裁は当面は7%の失業率が政策見直しの目安として適切と考えているものの、最終的にはそれよりもかなり低い失業率が望ましいとの見解を示している。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up