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焦点:日銀がバランスシートなど量的目標導入、コミットメント強化

[東京 30日 ロイター] 日銀は4月3、4日に開く金融政策決定会合で2010年10月以来進めてきた金融政策を大幅に転換する。資産買い入れ基金を通じた金融緩和に代わり、日銀のバランスシートおよびマネタリーベース(資金供給量)全体を緩和の目安とし、拡大していく。

3月29日、日銀は4月3、4日に開く金融政策決定会合で2010年10月以来進めてきた金融政策を大幅に転換する。写真は黒田新総裁。28日撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)

2%の物価目標達成に対する姿勢も強化、量の拡大による期待インフレ率の引き上げを通じデフレ脱却を狙う。具体的には長期国債の買い入れ年限を長期化し、ペースを現在の月3.6兆円から数兆円増額する方針。ただ、最終的な緩和規模など具体策についてはぎりぎりまで調整が続く見通しだ。

黒田東彦総裁が2年を念頭に達成をめざす2%の物価目標について、達成できるまで大胆な金融緩和政策を続けるなどコミットメント(約束)を大幅に強化する見通し。日銀は1月に2%の物価目標を導入していたが、ゼロ金利の継続期間や、基金による資産買い入れの終了時期が曖昧だったため、日銀の確固たる緩和姿勢を示す。

同時に満期が3年以内の長期国債のみを買い入れている基金を解消し、超長期債を含むすべての年限の国債を買い入れている輪番オペと統合する方針を示す。現在毎月1.8兆円買い入れている輪番オペをいくら増額するのか、輪番オペで0.1兆円にとどまっている10年超の超長期国債の買い入れをどの程度増やすかなどの詳細はこれから詰める。

<基金・輪番統合、銀行券ルールに代わるルール模索へ>

今後の金融緩和の規模を示すために、当座預金残高やマネタリーベース、バランスシートなどの量で示す案と、「無期限感」を演出するため毎月の資産の買い入れ額を示す案などが検討されている。ただ黒田総裁や岩田規久男副総裁は、当座預金残高やマネタリーベースを引き上げれば、期待インフレ率の上昇を通じて物価が上昇するとの考え。黒田総裁は海外中銀との緩和ペースの比較がしやすいようにマネタリーベースやバランスシートの大きさや拡大ペースを新たな緩和目標にしたいとみられている。

これまで区分していた基金による国債と輪番オペによる国債を一体化することで、国債買い入れによる財政ファイナンス(穴埋め)懸念を払しょくするために導入していた、保有国債を紙幣の発行量内に収めるとの銀行券ルールに抵触することになる。日銀としては、大量の国債購入が財政ファイナンスとみなされないため新たなルールを作る方向だ。

<岩田副総裁らリフレ派は量による期待インフレ率引き上げ持論>

日銀が2010年以降進めてきた現行の金融政策は、基金を通じて国債や社債、上場投資信託(ETF)などを買い入れ、企業の資金調達を容易にすることで景気や物価を刺激するのが狙い。この結果、日銀のバランスシートは1.4倍に拡充、当座預金残高も過去最高水準まで拡大したが、量の拡大はあくまで手段で、金利や各種金融資産のリスクプレミアムの引き下げが主眼との立場だった。

これに対して岩田副総裁らリフレ派は、物価目標は必達とし、当座預金残高やマネタリーベースを引き上げれば、期待インフレ率が上昇、円安や株高につながると主張している。岩田氏は副総裁就任前の今月4日「当座預金残高が10%増えると予想物価上昇率が0.44ポイント上昇、期待インフレ率が2%ポイント上がれば為替は15円の円安、日経平均株価は4000円上昇する」と主張していた。

黒田総裁は26日の衆院財務金融委員会で「量的にも質的にも大胆な金融緩和を推進していく」と強調しているが、量の拡大とともに各種リスク性資産の買い入れを進め、リフレ理論を主軸としつつ、従来の緩和思想も残すことで政策委員会内の意見統一を図りたい意向とみられる。

(ロイターニュース 竹本能文、伊藤純夫;編集 石田仁志)

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