[東京 27日 ロイター] - 甘利明経済再生相は27日の閣議後会見で、同日発表された消費者物価指数(CPI)が3カ月連続でプラスとなったことを踏まえ、デフレを脱却しつつある過程にある、と述べた。
総務省が27日に発表した8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比0.8%上昇し、3カ月連続のプラスとなった。
同相は8月CPIを受け、日本経済は「長いデフレから脱却しつつあるという過程にある」との認識を示した。もっとも、電気代やガソリン代など円安の影響を除いたコアコアCPIは同0.1%低下と引き続き水面下にあり、「これがプラスに転じ、大きなショックでもない限り、もとの状態に戻らない環境が整備されたときに(デフレ)脱却といえる」と語った。
その上で、物価が上がっても賃金が上がらないような状況では、デフレ脱却にはならないと述べ、企業業績の改善が賃上げに反映され、設備投資や消費に結びついていく「好循環」が不可欠と語った。
東京電力9501.Tが柏崎刈羽原子力発電所の運転再開に向けて国に安全審査を申請することについて、新潟県が条件付きで承認したことを「話が進展しつつあることは大変歓迎したい」とし、「日本のエネルギー政策にとっては前向きに受け止められる」と語った。
伊藤純夫
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