March 7, 2019 / 6:44 AM / 6 months ago

コラム:みずほFG、巨額減損で味わう「苦いクスリ」

[香港 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] - みずほフィナンシャルグループ(8411.T)が味わっている「苦いクスリ」は、日本の銀行が抱える病を投資家にも味わわせている。

 3月7日、みずほフィナンシャルグループが味わっている「苦いクスリ」は、日本の銀行が抱える病を投資家にも味わわせている。都内で2017年1月撮影(2019年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

国内2位のみずほFGは6日、固定資産の減損など合計約6800億円の損失を2019年3月期決算に計上すると発表した。減損処理の結果、当期純利益の見通しは前期比86%減の800億円となった。

店舗統廃合による減損処理や外債の含み損処理は、超緩和的な金融政策の症状といえる。少なくとも統廃合を緩和する新たな規制が実現すれば、いくぶん落ち着くだろう。

日本の金融機関は長い間、日銀による異例のマイナス金利政策の下で苦しんでいる。法人顧客に対する手数料にコストを上乗せしたくない、もしくはそれができない銀行は、利ざや縮小を余儀なくされた。

それを補おうと、多くの銀行が高いリターンを求めて海外市場に目を向けた。みずほFGは、証券ポートフォリオを全面的に見直しており、その理由の1つに「過去の外債投資」があるという。このことは、そうした努力がいかに切迫したものかを物語っている。

巨額の減損損失が明らかになったことで、わずか数日前に全国銀行協会の会長でもあるみずほ銀行の藤原弘治頭取が会見で、日銀による金融緩和政策の「負の副作用」について警鐘を鳴らしたのも納得がいく。2%のインフレ目標よりも金融の安定が大事だと同頭取は主張する。

しかし不安定な現在の状況下において、日銀の黒田東彦総裁は身動きが取れない。日銀が金融政策の正常化を検討しているとの昨年7月のロイター報道を受け、日本の株式相場は急降下した。

黒田総裁は、純資産に対して株価が危険なほど割安に取引されている銀行の苦境に同情を示していないわけではないが、コスト削減で埋め合わせが可能との考えを示唆している。日本では、高齢化と過疎化が地方で進んでいるにもかかわらず、第二地銀を含めた地銀の数は100行を超える。統廃合が解決策であることは明白だ。実際のところ、今回のみずほの損失の大半は店舗の統廃合やリテール網のソフトウエアなどを巡る固定資産の減損である。

こうした統合プロセスを遅らせてきた独占禁止法の適用が間もなく見直される可能性がある。政府は今週、地方銀行の統合基準を見直し、独占禁止法に例外規定を設ける計画を明らかにした。もし実現すれば、コスト削減に役立つ取引の機運が高まるだろう。

銀行はまた、自ら立て直しを図ることができる。海外の債券市場に手を出すのではなく、テクノロジーを駆使して人員削減を行ったり、現金取引を減らしたりすることが可能だ。最終手段として、法人顧客にマイナス金利によって発生するコストを手数料として請求することも検討できるだろう。砂糖が何さじかあれば、金融緩和による苦いクスリも飲むことができるだろう。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

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