[オタワ 4日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は4日、インフレ率はカナダ中銀の目標値である2%を大幅に上回って推移するリスクがあり、その場合はさらに金利を引き上げる用意があると述べた。
カナダ中銀は4月、政策金利を予想通り4.50%に据え置く一方、金利を長期間にわたり制約的な水準にとどめる必要が生じる可能性を指摘した。
マックレム総裁は、同行の基本シナリオでは、成長率の鈍化に伴い労働市場が軟化し、賃金上昇圧力や値上げ圧力が緩和されるとの見方を示した上で、インフレ率が2%を超えて定着する兆しが見えた場合は「さらに金利を上げる用意がある」と言明。質疑応答では「利下げは考えていない」と述べた。
総裁は講演の大半を金融政策と物価安定に割いたが、最近の米欧金融不安が拡大するリスクについても言及。市場のストレスがカナダに与える影響は「軽微」であったとしながらも、「(カナダ国内で)より深刻なストレスが生じた場合、物価安定回復に向けた努力を続ける一方で流動性を提供する手段も有している」と述べた。
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