[トロント 20日 ロイター] - 20日のカナダ株式市場で、医療用マリファナ製造業者の株価が一時急伸した。19日投票の総選挙で、マリファナを嗜好品としても合法化する方針を示していた自由党が過半数を獲得したため、市場が一気に拡大することへの期待が高まったことが背景だ。
トロントベンチャー取引所では、昨年医療用マリファナ製造会社として最初に上場したキャノピー・グロースCGC.V株が一時7%高まで買われたほか、メットラム・ヘルスMT.Vが8%、アフリアAPH.Vは5%それぞれ上昇する場面があった。
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ダンディーのアナリスト、アーロン・ソールズ氏は「マリファナの嗜好品市場が突然出来上がり、明日にも合法化されるとすれば、国内では非常に急速に使用されるようになる」と述べた。
ソールズ氏によると、現在のカナダの医療用マリファナ市場規模は推定で年間8000万─1億カナダドルだが、嗜好品の使用が解禁されれば市場規模は20億─50億カナダドルに急膨張する可能性がある。
Mパートナーズのアナリスト、ダニエル・パールスタイン氏は「自由党がマリファナの自由化と課税を実現したいと強調し、議会で過半数を制したことで、上場されているマリファナ製造業者に追い風が吹くのは明らかだ」と指摘した。
ただ、業界幹部からは慎重な声も出ている。
現在医療用マリファナ栽培の認可申請中のシュープリーム・ファーマシューティカルズSL.CDのジョン・ファウラー最高経営責任者(CEO)は、大掛かりな規制改革を法制化するには相当な時間がかかるとの見通しを示した。
既に医療用マリファナ製造の認可を得ているオーガニグラムOGI.Vのデニス・アーセノルトCEOは、嗜好品市場が誕生しても州レベルで厳格に管理されるだろうとみている。
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