[メリット(カナダ・ブリティッシュコロンビア州) 16日 ロイター] - カナダ西部ブリティッシュコロンビア州で2日間の集中豪雨により洪水や土砂崩れが発生し、少なくとも死者1人と行方不明者2人が報告された。国内最大の港であるバンクーバー港発着の鉄道貨物輸送が全面的に停止し、穀物や石炭、炭酸カリウムなどを中心に物流が混乱する可能性がある。
バンクーバーの北東160キロに位置するペンバートンの近くでは土砂崩れで自動車が道路から押し流され、少なくとも1人が死亡した。当局が救助・捜索活動を続けている。
カナダの2大鉄道会社であるカナディアン・パシフィック・レールウェイ とカナディアン・ナショナル・レールウェイは大規模な洪水の発生を受けて一部路線で運休を強いられた。
バンクーバー港湾局の広報担当者は、同港発着の全ての鉄道輸送が停止しただけでなく、バンクーバーにつながる主要道を含む多数の高速道路が閉鎖されたと明らかにした。
トルドー首相は首都オタワで、政府は洪水の発生について非常に懸念しており、可能な限りの支援を行うと述べた。
バンクーバー港の1日当たりの貨物取扱高は5億5000万カナダドル(4億4000万米ドル)に上り、自動車から生活必需品に至るさまざまな貨物の輸送拠点となっている。
洪水による被害で、カナダの小麦と菜種の輸出が一時的に滞った。
ブリティッシュコロンビア州の南にある米ワシントン州でも豪雨により15日に15万世帯以上で停電が発生、住民が避難している。
ブリティッシュコロンビア州の一部では14日だけで1カ月分の雨量が観測された。バンクーバーの北東200キロにあるメリット市では16日時点で1メートル強の浸水が一部で残っており、雪が降る中、複数の車が水に浮かんでいた。
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