[ワシントン 25日 ロイター] - カナダのフリーランド外相は25日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の閣僚会合後、自動車分野で「良い進展」があったと明らかにした。一方、米国の鉄鋼とアルミニウムへの関税措置に対し反対する姿勢をあらためて示した。
米国、カナダ、メキシコの担当閣僚は前日に続き、協議を実施。フリーランド氏は協議後記者団に「3カ国とも妥結を目指して週7日24時間体制で取り組むことに非常に強い決意と誠実な姿勢を示している」と強調。「米国が3月に提示した独創的なアイディアに基づいて協議を進めており、建設的で良い進展があった」と語った。
争点となっているのは、3カ国で生産された自動車部品をどの程度使えば完成品の関税をゼロにするかを定める原産地規則。
トランプ米政権は当初、域内の部品調達比率を現行の62.5%から85%以上に引き上げるよう要求していたが、業界関係者らによると、要求水準は75%に引き下げられた。ただ、米側は特定の部品が賃金水準の高い国で生産されることを規定するよう提案しているという。
関係筋によると、米国の提案は、全体の調達比率を75%としたうえで、一部の低価値部品や材料はそれぞれ70%、65%の調達率にとどめ、時給15ドル程度の地域で生産されたエンジンのような高価値部品の調達を増やして全体の基準を達成できるようにする内容だという。これは米国とカナダで生産される高価値部品を保護し、メキシコの自動車業界に賃金引き上げへの圧力をかける狙いがある。
フリーランド外相はまた、カナダは3カ国が継続で合意しない限り協定は5年ごとに失効するとする「サンセット条項」の導入には反対する姿勢を崩していないと述べた。
米国の鉄鋼とアルミニウムに対する輸入制限措置については、、「カナダはいかなる関税措置やクオータ制からも完全、かつ恒久的に除外されると予期しているとの立場を当初から明確にしている」と述べた。
トランプ大統領は輸入制限を3月に発表。NAFTA加盟のカナダとメキシコに対しては発効を5月1日まで猶予している。
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