[オタワ 12日 ロイター] - カナダのウィルソンレイボールド退役軍人相は12日、トルドー首相宛ての書簡で辞任を表明した。理由は明らかにしていない。
カナダでは、リビア事業関連の収賄容疑で訴追された建設会社SNCラバラン・グループ(SNC.TO)が司法取引により裁判を回避できるよう、政府高官が昨年、法相兼司法長官だったウィルソンレイボールド氏に圧力をかけた疑いが浮上している。
ウィルソンレイボールド氏はSNCラバランの件について、どこまで話せるか弁護士と相談していると述べた。
トルドー首相は11日、記者団に対し、ウィルソンレイボールド氏に対し全幅の信頼を置いていると述べた。地元紙はウィルソンレイボールド氏がSNCラバランに関する政府高官の要求を拒否したと報道。その後、同氏は法相兼司法長官から退役軍人相に「降格」させられた。
ウィルソンレイボールド氏は「前週報じられた問題について私が話すことを多くのカナダ国民が望んでいることは分かっている」と述べた。議員は続ける意向だという。
首相府によると、トルドー首相は予定通り12日にウィニペグで記者会見を実施する見通し。
ブリティッシュコロンビア大学のリチャード・ジョンストン教授は今回の件について、「政府にとって現時点で見られるどの問題よりも大きな問題だ」との見方を示した。
世論調査によると、トルドー首相の自由党の支持率は野党保守党をわずかに上回る状態。今年10月には選挙を控えている。
保守党のアンドリュー・シーア氏は「トルドー氏のモラルの崩壊と最近のスキャンダルに対する破滅的な対応がトルドー政権を混乱に陥れている」と述べた。