[オタワ 19日 ロイター] - カナダのトルドー首相は19日、予算で300億カナダドルの財政赤字を想定していることについて、この数字が上限というわけではないと説明、政府は経済成長の促進をより重視すべきとの認識を明らかにした。
インタビューで述べた。首相は、財政赤字の「パーフェクトな数字」にはこだわっていないと強調。経済成長に向けた正しい道筋を見つけることが、財政赤字の目標を達成することよりも重要だと述べた。
首相は「財政規律は必要だが、適切な分野に投資することも必要。目標を恣意(しい)的に設定し、それにこだわるのは、私が選挙戦で反対したことだ」と述べた。その上で「私が執着しているのはパーフェクトな数字ではない。短期的な成長のみならず、中長期的な繁栄につながるパーフェクトな道、正しい道を見つけたい」とした。
カナダ経済は回復の足取りが鈍い上に、エネルギー生産地で発生した森林火災が、政府財政を一段と圧迫するとみられている。トルドー首相は昨年の総選挙の際には、財政赤字を100億カナダドル程度に抑制することを公約に掲げていたが、政府がその後公表した予算案では、2016─17年度の財政赤字を294億カナダドルと見込んでいる。
米大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が当選した場合の影響については、世界の各国間の関係は1人のリーダーの個性に左右されないと述べ、「誰が米大統領になろうとも、協調していきたい」と語った。