[トロント 5日 ロイター] - カナダのアルバータ州で発生した森林火災は、同州のオイルサンド生産に打撃を与えており、エコノミストからは第2・四半期がゼロ成長に陥る可能性があるとの声も上がっている。また、利上げ観測が出ていたカナダ中銀は金融政策を維持し、カナダドルは売られると予想されている。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、Robert Kavcic氏は、第2・四半期を年率1.3%の成長を見込んでいたが、森林火災を主な理由に、ゼロ成長に修正した。
トロント・ドミニオン銀行のシニアエコノミスト、Michael Dolega氏は、まだ予想値は確定していないとしながらも、森林火災は5月の成長率を最大0.3%ポイント押し下げる可能性があると述べた。
今週発表されたさえない貿易統計も、急減速観測につながっている。
スコシア銀行の資本市場責任者Derek Holt氏は、森林火災で少なくとも5、6月はオイルサンドが生産できないとみて、景気が急降下する可能性が排除できないと述べ、カナダドルの下落を予想した。
カナダドルは景気懸念に圧迫され、3日につけた10カ月ぶり高水準から3%以上下落している。
カナダ中銀は前月、政策金利を据え置き、景気下押しリスクを指摘した。
金融市場は、週初は年内利上げの確率を20%とみていたが、いまや利下げの確率を20%以上とみている。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」