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カーボンプライシングの議論始まる、移行債の償還財源=GX実行会議

 10月26日、政府は、脱炭素社会に向けた戦略を協議するために設けた「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で、二酸化炭素(CO2)の排出に金銭負担を求めるカーボンプライシング(CP)について議論を開始した。写真はオーストリア・インスブルックの空。2013年撮影(2022年 ロイター/Dominic Ebenbichler)

[東京 26日 ロイター] - 政府は26日、脱炭素社会に向けた戦略を協議するために設けた「GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議」で、二酸化炭素(CO2)の排出に金銭負担を求めるカーボンプライシング(CP)の議論を開始した。発行を検討する「GX経済移行債(仮称)」の償還財源とする考え。

CPは代替技術の有無などにより経済に悪影響を及ぼす恐れがあるため、一定の期間を設けた上で導入し、最初は低い負担で、徐々に引き上げていく策を検討する。あらかじめ引き上げ方針を示すことで、企業のGX投資を促す。

岸田文雄首相は「価格の不安定性や産業・雇用の混乱などの課題を克服し、経済・社会の安定的かつ力強い変容をもたらす成長志向型のカーボンプライシングの具体的制度案を次回GX会議で提示してほしい」と指示した。

政府は今後10年間で官民合わせて150兆円超の脱炭素分野への投資が必要と試算しており、脱炭素社会に移行するために新たに発行するGX移行債で、先行して20兆円規模を調達する方針を示している。GX移行債の資金使途も今後議論する。

CPの手法としては、炭素税、負担金、企業間で二酸化炭素の排出量削減分を売買する排出量取引制度などがある。炭素税や負担金などは炭素排出に応じて一律で広くGXへの取り組みを促すことができる一方で、削減効果が限定的となる可能性がある。排出量取引制度は対象が排出量の多い企業に限定されるため効率的かつ効果的に排出削減が可能だが、市場を通じて取引するため、価格の変動リスクが高いなど、デメリットもある。

企業が自主的に排出量を取引する市場である「GXリーグ」の制度化も検討する。26年度の排出量取引の本格運用を踏まえて、緩やかに制度化し、31年度からはより厳しい施策の導入も念頭に置く。現在同リーグには500社以上が参加を表明している。EUのように排出量の上限を定めることも議論する。

150兆円の内訳は、再生可能エネルギーの大量導入に31兆円超、次世代自動車に17兆円超、住宅・建築物に14兆円超、脱炭素目的のデジタル投資に12兆円超、鉄鋼、化学、自動車など排出が多い製造業の省エネ・燃料転換に8兆円超、蓄電池に7兆円超、水素・アンモニアへも7兆円超などの官民合わせた投資を見積もる。

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