for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up
コラム

コラム:主要国の引き締め、過熱した社債市場に絶好の調整局面

[ロンドン 13日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 社債市場に危険な環境が訪れようとしている。主要中央銀行が資産購入規模を縮小し、国債利回りを押し上げているからだ。しかし、金融引き締めが社債にもたらすショックは、必ずしも悪いことではないかもしれない。

 1月13日、社債市場に危険な環境が訪れようとしている。写真は各国紙幣。2016年1月撮影(2022年 ロイター/Jason Lee)

昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、米連邦準備理事会(FRB)は予想よりも早く債券購入を中止し、約9兆ドルに上るバランスシートを2019年以降で初めて縮小させる可能性がある。

欧州中央銀行(ECB)も資産購入額をスローダウンさせ始めている。米国とドイツの10年物国債利回りは、昨年12月初めに比べて30ベーシスポイント(bp)余り上昇。後者は2019年以来で最もマイナス幅が小さくなった。

国債利回りの上昇は、コロナ禍始まって以来の社債ブームを終わらせるだろう。投資家はこの2年間、少しでもインフレ率より高い利回りを稼ごうと社債を買い漁ってきた。

例えば、ドイツ銀行のデータによると、米高利回り債ファンドの資産は2020年に400億ドル以上増加した。

だが、向こう数カ月間、社債ファンドには資金が流入するより流出する可能性の方が高い。セントルイス地区連銀によると、インフレ調整後の米国債実質利回りは、昨年11月にはマイナス1.2%程度だったが、今ではマイナス0.79%前後に上昇している。

クレジット市場はぜい弱な状態にあるようだ。バンク・オブ・アメリカのICE指数によると、米ジャンク債(高利回り債)の米国債に対する利回りスプレッドは12日時点で平均306bpと、過去5年間の平均に比べて約1%ポイント低い。

ジャンク債よりさらにリスクの高い格付け「CCC」以下の債券はスプレッドが659bpで、5年平均を2%ポイント余りも下回っている。

ただ、社債は大きく売られたとしても、暴落は避けられそうだ。世界経済は成長を続けており、企業利益を支える要因となる。しかも企業の債務水準は、コロナ禍中のピークに比べて減少している。

ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、昨年末時点でジャンク級企業の債務比率は利払い・税・償却前利益(EBITDA)の5倍前後と、2020年の約6倍から下がった。

「利回り追求」が進んだ結果、投資家は過去2年間でどんどん緩い投資条件を受け入れるようになった。ムーディーズによると、プライベートエクイティ(PE)ファンドによる資金引き揚げを阻止し、債券保有者を守るためのプロテクション(保証)は、過去最低水準になっている。

また、リフィニティブのデータによると、昨年組成されたレバレッジドバイアウト(LBO)ローン総額はEBITDAの約6.9倍に上った。クレジット市場は調整が待ったなしであり、大混乱に陥らない程度のショックなら、今の危険な流れを抑えることにつながりそうだ。

●背景となるニュース

*年明け以降、各国中銀が臨時の金融緩和措置を巻き戻すとの予想から、先進各国の国債利回りが上昇している。

*米10年物国債利回りは13日に1.73%を付け、昨年末から22bp上昇した。ドイツ10年物国債利回りは同期間に10bp上昇してマイナス0.08%となった。

*国債利回りは、昨年12月のFOMC議事要旨で幹部らがバランスシート縮小の可能性を協議していたことが判明したのを契機に上昇した。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up