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焦点:主要中銀が一斉にタカ派メッセージ、市場に衝撃
2017年6月30日 / 01:42 / 5ヶ月後

焦点:主要中銀が一斉にタカ派メッセージ、市場に衝撃

[ロンドン 29日 ロイター] - 世界の主要中央銀行当局者は今週、まるで言い合わせたかのように将来の量的緩和(QE)の巻き戻しと利上げの可能性に言及し、金融市場の注目を集めつつある。

6月29日、世界の主要中央銀行当局者は今週、まるで言い合わせたかのように将来の量的緩和(QE)の巻き戻しと利上げの可能性に言及し、金融市場の注目を集めつつある。22日撮影(2017年 ロイター/Thomas White)

こうしたメッセージが発信されるまで、少なくとも株式と債券は堅調に推移していた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げしてもなお、欧州中央銀行(ECB)と日銀を中心とする大規模緩和によって、世界的な流動性は潤沢だと想定されていたからだ。

だからこそ27日、ECBのドラギ総裁がタカ派姿勢に転じた様子を見せると、主要国の資産市場に及ぼしたその影響たるや、FRBが今月実施した利上げの比ではなかった。

ドイツ国債利回りは水準が2倍となり、米国債その他ほぼすべての国債に対するスプレッドは縮小。いくつかの大手行はユーロ相場に追い風が吹き始めたことを理由に、ドル高局面の幕切れを宣言した。

SEBの資産配分責任者ハンス・ピーターソン氏は、主要中銀と彼らの超緩和政策は「極めてゆっくりと方向転換している」と指摘。「市場が長期的にどう反応するかはまだ分からない。というのも投資業界で働く人々全てが中銀の支えなしの世界で生きたことがないのだから」と付け加えた。

ドラギ氏の発言に続き、FRBのイエレン議長は高水準の資産価格に警鐘を鳴らし、別のFRB当局者は資産縮小について「自動操縦」で行われると述べた。さらにイングランド銀行(英中央銀行、BOE)のカーニー総裁は今は利上げを考える時期ではないとの従来の立場から、近く利上げを議論しなければならないという意見へと軌道修正した。

もっとも市場はこれらの材料に反射的に身構えながらも、世界的に物価や賃金の伸びが低調なことから、実際の金融引き締めは遅れるのではないかとの慎重な見方も維持している。物価や賃金の伸び悩みは中銀の各政策担当者も公に認めている。

市場が織り込むBOEが来年3月までに利上げする確率は80%、カナダ中銀は70%となっている。しかしFRBの追加利上げは向こう1年ないと見込まれ、ECBの利上げも1年以内では視野に入ってきていない。

過去8年でFRBとECB、BOE、日銀が買い入れてきた債券の総額は約15兆ドルと、米国の経済規模のほぼ75%に達する。現在もECBと日銀がおよそ半分ずつという形で、毎月2000億ドル前後が購入されている。これから半年ぐらいでFRBがバランスシートを縮小するのに伴って、500億ドルが消えてしまうとしても、それは周到に実施されるだろう。

つまり結論として、少なくともあと1年は世界の流動性が意味のあるほど減少することはないと想定される。

SEBのピーターソン氏は、中銀の潤沢な資金供給が打ち止めとなるのは大きな変わり目だろうとしつつ、彼らが透明性が高く市場に十分配慮したやり方で緩和を縮小していく限り、それは自然な流れだとの見方を示した。  

(Marc Jones記者)

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