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コラム

コラム:米印で苦しむ中国アプリ企業、東南アの潜在市場に照準

[香港 5日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国のハイテク大手は、東南アジア地域で事業の強化が避けて通れない成長戦略となってきた。米国とインドでの利用を禁止された今、中国本土系ハイテク企業にとって、急成長するインドネシアやベトナムなどの東南ア市場は海外での収益を拡大する重要拠点になりつつある。

8月5日、中国のハイテク大手は、東南アジア地域で事業の強化が避けて通れない成長戦略となってきた。写真は、中国のアプリを削除するアプリ。6月撮影(2020年 ロイター/Danish Siddiqui)

電子商取引大手アリババBABA.N9988.HKなど、東南アジア地域に先んじて進出した企業は完全には勢いに乗れていないが、後発組はもっと素早い動きを見せるだろう。

今回、各国政府から狙い撃ちにあったのは、中国のIT企業、北京字節跳動科技(バイトダンス)。同社の稼ぎ頭である短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」は、安全保障上の懸念から最大の市場であるインドで、他の中国製アプリ数十種類とともに利用が禁止された。

ティックトックについては日本の議員の間でもインドと同様の措置を検討する動きがある。トランプ米大統領もティックトックの利用を禁止する方針を表明し、バイトダンスの創業者である張一鳴氏は現在、ティックトックの一部事業を米マイクロソフトMSFT.Oに売却しようと交渉を進めている。欧州連合(EU)もティックトックに懸念を抱きつつある。

こうした動きは張氏や他の起業家のグローバルな野心にとって大きな打撃だ。ただ、たとえそうであったとしても、東南アジアが有望な地域であるのは変わらない。

東南アジアはウェブユーザー数が3億6000万人もおり、世界で最もソーシャルメディアの利用が活発化な地域の1つ。グーグル、テマセク、ベイン・アンド・カンパニーが昨年共同でまとめたリポートは、東南アジアのインターネット経済の規模が今後5年間で3倍以上に膨らみ、3000億ドル(約31兆6500億円)に達すると予想した。

新型コロナウイルスの世界的流行で電子商取引やモバイル決済、クラウドコンピューティングなど分野は成長が加速しており、実際にはこの予想を上回るのではないか。

中国のウェブ関連企業の東南アジアでの実績はまちまちだ。電子商取引の巨人アリババは2016年に東南アジアの通販大手ラザダの株式を取得して経営権を握った。しかし企業文化の違いや従業員の離職に悩まされ、ロイターの報道によると、経営トップが3年間に3度も変わった。

一方、ライバルの騰訊控股(テンセント)0700.HKはより慎重な戦略を取り、ビデオゲームや電子商取引を手掛けるシンガポールのSEASE.Nなど、東南アジアの新興大手を陰から支援している。

現地企業と組むなど、異なる戦略も試されている。例えば健康管理アプリを開発している平安好医生はシンガポールの配車アプリ大手グラブと合弁でオンライン健康サービス事業を展開している。バイトダンスやアリババもシンガポールで存在感を高めている。実利を重んじ、中立的な土地柄のシンガポールは、利益を上げやすい場所だろう。

●背景となるニュース

*トランプ米大統領は7月31日、バイトダンスが運営する短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用を禁止する計画だと発言。ポンペオ米国務長官は2日のテレビ番組で、米国でビジネスを展開している中国のソフトウエア企業は中国共産党に直接データを渡していると述べた。

*インド当局は6月29日、サイバー空間の安全性と主権を確保するため、59種類のアプリの利用を禁止すると発表した。対象となるアプリの大半は中国製。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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