[香港 4日 ロイター] - 新華社は4日、週末の爆発で多くの死傷者が出た中国江蘇省昆山市の自動車部品工場について、安全基準違反が爆発事故を引き起こしたとの見方を示した。責任の一端は、工場運営会社の会長や現地の規制当局にあるとしている。
昆山中栄金属製品の工場で2日発生した爆発の死者は少なくとも75人、負傷者は185人となった。
現地政府は、粉じんが飛散したエリアでの引火が、爆発の原因との見方を示している。
昆山中栄は、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)GM.Nなど自動車メーカー向けにアルミホイールを研磨する作業を手掛けている。新華社は政府の調査を引用し、危険物の管理が不適切だったうえ、換気や粉じん除去を行う適切な装置もなかったと伝えた。
報道によると、工場は粉じんに関する過去の警告を無視し、火災時に備えた適切な装備もなく、安全対策の従業員訓練も行われていなかった。
新華社によると、中国の安全生産監督管理局高官は「極めて深刻な職務怠慢」があったと指摘した。
昆山市の当局者や昆山中栄からのコメントは得られていない。
GMは3日、中国の主なサプライヤーに対し、部品の代替調達先を模索するよう求めたと明らかにした。昆山中栄と提携関係にある企業から部品を調達しており、昆山中栄との直接的な取引はないとも表明していた。
上海にいるGM広報担当者は、直接取引のないサプライヤーの工場運営に対して、GMが安全性審査を実施していたかどうかの情報はないとした。
新華社によると、昆山中栄の幹部2人の身柄を当局が拘束。習近平国家主席は徹底的な調査を指示した。
*内容を追加し、写真をつけて再送しました。
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