October 2, 2018 / 2:36 AM / 2 months ago

焦点:競争激化する中国の空、規制緩和で海外航空会社の撤退も

[上海 26日 ロイター] - 中国20都市に向かう人気の長距離路線を運航している外国航空会社は、新たな競争圧力に直面することになる。中国政府が10年前から続く規制の緩和に着手し、10月1日以降、国内航空会社によるサービス提供の拡大を認めるからだ。

 9月26日、中国20都市に向かう人気の長距離路線を運航している外国航空会社は、新たな競争圧力に直面することになる。写真は、中国国際航空機。仏トゥールーズ近郊で7月撮影(2018年 ロイター/Regis Duvignau)

中国の調査会社バリフライトが提供する中国の航空輸送データを元にロイターが計算したところ、この改革により、中国向け長距離路線の1日あたり輸送量のうち、約20%に影響が及ぶことになる。

ユナイテッド航空(UAL.O)やエールフランスKLM(AIRF.PA)など米欧の航空会社にとっては厳しい変化だ。これらの航空会社はコストが高く、自国を出発するアウトバウンド需要が低く、中国人旅行者から見れば文化的魅力も乏しいからだ。

「北米・欧州の航空会社は中国のライバルに太刀打ちできない」とシンガポールを拠点とする輸送コンサルタント会社クルーシャル・パースペクティブのコリン・プン最高経営責任者(CEO)は述べ、トラフィックの過半数を中国人旅行者が担っている状況を指摘する。

すでに中国向け路線から撤退した航空会社もある。

アメリカン航空(AAL.O)は、北京─シカゴ路線の運航中止に続き、このところ上海─シカゴ路線の廃止を計画しており、これらの路線を、年間3000万ドル(約34億円)の赤字を生む「巨大な金食い虫」と表現している。

現行の「1路線1航空会社」政策は2009年から実施されている。中国民用航空局によれば、今これを変更するのは、航空市場の変化に対応するためだという。

上海─パリ、上海─フランクフルトの2路線に関してはすでに中国の航空会社2社が運航しているが、さらに1社増える可能性がある。

<影響力は発揮できず>

バリフライトのデータ分析主任を務めるコン・ウェイ氏によれば、北京─ロサンゼルス、上海─ロンドンなどを含む20路線では、中国の航空会社が客席数の約50%を支配しており、これよりもシェアを大幅に増やす可能性があるという。

これら路線は、国有の中国東方航空(600115.SS)、中国南方航空(600029.SS)、中国国際航空(601111.SS)の3社が分割して運航している。

この3社は、エールフランスKLM、ルフトハンザ航空(LHAG.DE)、エア・カナダ(AC.TO)、ブリティッシュ・エアウェイズ(ICAG.L)、バージン・アトランティック[VA.UL]、ニュージーランド航空(AIR.NZ)、ユナイテッド航空、デルタ航空(DAL.N)、アメリカン航空などの外国航空会社と競合している。

エールフランスKLMの広報担当者は、規制の変更を注視しているが、「ルール変更の方向性については、ほとんど影響を与えられない」と話す。

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「欧州と中国の競争はすでに存在し、激化している」と、この広報担当者は言う。「最も魅力的な商品・サービスを競争力ある運賃ですべての顧客に提供していくため、既存のパートナーシップを強化し続けていく。明らかに、それがこの展開に対する最善の対応だ」

デルタ航空は、同社の長期的ネットワークにおいて中国は引き続き重要な市場であり、中国東方航空と提携関係にあるため有利なポジションを得ているとしている。

ニュージーランド航空は、規制緩和については認識しており、新たな路線に進出する機会を常に評価していると明らかにした。

ルフトハンザ、エア・カナダ、ブリティッシュ・エアウェイズ、バージン・アトランティック、ユナイテッド航空、アメリカン航空からは、コメント要請への回答はなかった。

<鍵となる提携>

今回の政策変更によって、従来のルールでは北京─ロサンゼルス路線を独占できていた中国国際航空のような既存の中国航空会社も打撃を受ける可能性がある。中国航空会社の多くは、国際線ビジネスにおいてすでに利益率の低下に直面している。

中国第4位の航空会社である海南航空(600221.SS)などの競合他社は、2次的な路線での国際線ビジネスを拡大しており、新たな路線にも進出する可能性があるとアナリストは指摘する。競争が新たに認められることになる20路線のうち、現時点で海南航空が運航しているのは北京─トロント路線だけだ。

それぞれ上海、広州に本社を置く中国東方航空と中国南方航空も、2019年後半、北京に2つ目の空港が開業するのを待って北京発の新路線に進出し、国有の両社にとって新たな拠点を築くことになると予想されている。

中国航空当局が5月に語ったところでは、北京大興国際空港の開設は、これまでの航路政策を変更するという政府決定の引き金になったという。

中国南方航空は今回の政策変更を支持するとしているが、中国東方航空はコメントを拒否した。中国国際航空と海南航空はコメント要請に回答しなかった。

中国民航大学の李暁津教授は、外国航空会社が競争優位を維持するためには、中国市場のうち高価格帯でのサービス充実に注力するか、近年進んでいる中国航空会社との提携を深めるという方法があると話す。

デルタ航空とアメリカン航空はそれぞれ中国東方航空、中国南方航空の少数株主となっている。一方、中国東方航空はエールフランスKLMの株式8.8%を保有している。

だが李教授は、最終的な勝ち組は中国人旅行者だ、と言う。

「国際路線の権利を自由化すれば、航空会社は繁忙期の人気路線のキャパシティーを増やすようになり、乗客に安全で利便性の高い、快適かつ経済的なサービスを提供するようになる」と同教授は語った。

(翻訳:エァクレーレン)

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