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焦点:中国包商銀接収から1年、処理難航で改革の限界あらわに

[北京 9日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は昨年5月、内モンゴル自治区の地方銀行である包商銀行について「重大な信用リスク」があるため接収したと発表した。こうした措置の実施は20年ぶりで、債権者が損失を負担するとともに、資産は売却され、ガバナンス(企業統治)の範が示されるはずだった。

6月9日、中国人民銀行(中央銀行)は昨年5月、内モンゴル自治区の地方銀行である包商銀行について「重大な信用リスク」があるため接収したと発表した。写真は北京の包商銀で2019年9月撮影(2020年 ロイター)

ところが約1年が経過した今、規制当局者や銀行関係者への取材に基づくと、包商銀行の処理は当初の目論見通りに進んでいない。関係当局間の不協和音に悩まされ、大手国有銀行の支援も思うように得られず、財政の余裕がなくなっている地方政府が想定以上の重い役割を果たすことを強いられているのだ。

ある規制当局者の話では、将来的な破綻中小金融機関の処理は、より規模の大きな同業者による支援と救済合併を混ぜ合わせた方式になる公算が大きい。実際、包商銀行に続く破綻処理では、当局が債権者に損失を押しつけずにリスクを吸収する形で行われている。

成長鈍化や新型コロナウイルスがもたらす悪影響に苦しむ中国経済にとって、国内銀行総資産約300兆元の4分の1前後を占め、4500社を超える中小金融機関は、安定的な融資を提供する上で、今後も欠かせない存在になるだろう。

だが中小金融機関は経済を支えるための融資を強制されることで、向こう1-2年の間に不良債権が激増する、とTSロンバードの中国エコノミスト、ローリー・グリーン氏は懸念する。

<寝耳に水>

人民銀は先月、包商銀行の接収期間を半年延長し、新型コロナの影響で手続きが遅れている点を理由に挙げた。

ただ事情に詳しい関係者によると、コロナ問題よりもずっと前から難しい状況に陥っていたもようだ。

大株主の明天集団にとっての都合の良い「金づる」と化し、重大な信用リスクを抱えていると判断した人民銀は当初、債権者に損失を背負わせるという中国国内では異例の措置を実行し、大手国有銀の支援の下で事業規模を縮小する計画だった。

2人の関係者によると、この方針が金融市場でだけでなく、中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)も驚かせる結果になった。CBIRCにとってはまさに「寝耳に水」だった、とこのうちの1人は打ち明ける。というのもCBIRCは、2017年から手元流動性を安定させる方法を毎月指導し、破綻させるつもりはなかったからだ。

<CBIRCの反対>

一方、人民銀から包商銀行の過半数株取得を打診された5大国有銀は、資産の質を巡る懸念から積極的な関心を示さなかった。包商銀行の資産管理を任された中国建設銀0939.HKにしても、取得した株式は5%にすぎない。

そこで人民銀は債権者に働き掛け、最終的に包商銀行が持っていた北京など大都市の4つの事業免許を、推定1065億元で、安徽省の徽商銀行3698.HKに売却することになった。

関係者2人は、これにCBIRCが異議を唱えたと述べた。CBIRCは、中小金融機関が地元市場以外に展開するのを制限する取り組みを推進してきたことが理由の1つだ。

ある関係者は「ある銀行に広域展開を禁止しながら、別の銀行に地元ではない都市の事業免許を認めるのは不公平だ」と説明した。

人民銀はロイターに宛てた声明で、徽商銀行が内モンゴル以外の包商銀行の4つの支店を取得したことは、現行の規制に沿っていると主張した。

いずれにせよ、こうした当局間の足並みの乱れが生じた包商銀行の処理を受け、昨年の遼寧省の錦州銀行や山東省の恒富銀行の破綻時には、人民銀と地方政府が債権者に負担を強いることなく救済している。

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