May 31, 2019 / 6:53 AM / a month ago

アングル:中国で「地銀不安」再燃、内モンゴル包商銀の接収で

[北京 30日 ロイター] - 中国当局が先週、深刻な信用リスクを理由に内モンゴル自治区の包商銀行BAOTO.ULを接収したことで、同行と同じように情報開示が遅れている小規模地方銀行の経営を巡る不安が再燃している。

 5月30日、中国当局が先週、深刻な信用リスクを理由に内モンゴル自治区の包商銀行を接収したことで、同行と同じように情報開示が遅れている小規模地方銀行の経営を巡る不安が再燃している。写真は北京で2018年撮影(2019年 ロイター)

弱小地銀は景気の減速と融資の不良債権化で支払い準備が流出し、資本バッファーが試されているためだ。

包商銀行の現在の信用力の詳細はほとんど明らかになっていない。格付けは2015年から「AAプラス」に据え置かれ、17年以降は財務諸表の発表を停止している。リフィニティブのデータによると、発行済み社債は738億3000万元(106億9000万ドル)相当。

包商銀行の接収で、錦州銀行(0416.HK)や吉林銀行など、やはり財務諸表の公表が遅い銀行に注目が集まった。

リスク管理を手掛ける百融金融のフェリックス・ツァン最高経営責任者(CEO)は「小規模行の一角は経営が厳しい」と指摘。これまでに不良債権比率が20─30%の地銀3行が彼に相談を持ちかけ、百融金融への身売りの意向を示してきたと明らかにした。

今年に入って格付け引き下げを受けた地銀は吉林双陽農村商業銀行と安徽桐城農村商業銀行の2行で、不良債権、貸倒引当金の不備、ぜい弱な企業統治体制などが理由。

ロイターが中国の格付け会社のデータを分析したところ、昨年の地銀の格下げは11件、17年はわずか2件だった。

業界関係者やアナリストなどによると、中国の地銀は対象とする地域や産業、顧客などの面で多様化を図る能力が本来的に乏しく、リスクが高まっている。地銀は地方政府との結びつきが強いため、経営の不透明な地元の資金調達会社を支援するよう圧力もますます受けている。

また昨年来、不良債権の分類規則が厳格化されたため、地銀は正常債権とされる「関注(special mention)」に分類分けしていた債権の一部を不良債権の分類項目に動かすケースが増える見通しだ。

今年1月に中誠信国際信用評級(CCXI)に「Aプラス」から「A」に格下げされた安徽桐城農村商業銀行は、昨年末の不良債権比率が12.25%と、前年同期の3.03%から大幅に上昇。17年に145.26%だった引当金比率は18年に25.2%に低下し、昨年末の自己資本比率は前年同時期の14.06%から2.28%に下がった。

市場は、まだ格下げは受けていないが信用危機の瀬戸際にある小規模行の信用状況の見直しに目を凝らしている。

中国の格付け業界は6社の寡占状態にあり、海外の大手格付け会社同様、必ずしも格付け判断について詳細な理由を公表していない。

また中国の格付け会社は全般的に、高位の格付けを持つ顧客の格下げに消極的だ。これは契約を失ったり、悪材料を提供して市場を混乱させたと当局から叱責を受けるのではないかと恐れるためだ。

さらに格付け会社は銀行の格付けを引き下げた場合にも、守秘義務を盾に理由を公にしない場合がある。

ロイターの分析によると、中国では約700行の地銀が「A」以上の格付けを受けている。

マッコーリー・リサーチ(台北)のアナリスト、デクスター・スー氏は「包商銀行の接収は、当局が経営のまずい地銀の淘汰を加速するつもりであることを如実に示している」と指摘。「小規模な銀行で合従連衡が増えそうだ。こうした取り組みは、後から振り返ってみれば経済にとって良いことだった分かるだろう」と述べた。

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