for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

アングル:中国債券市場、地方債の起債集中でも利回り安定

[上海 12日 ロイター] - 今週の中国債券市場では、地方政府が大量の債券を発行したが、利回りに大きな変動はなく、当局が資金調達コストの低位安定を目指していることが浮き彫りとなった。

 今週の中国債券市場では、地方政府が大量の債券を発行したが、利回りに大きな変動はなく、当局が資金調達コストの低位安定を目指していることが浮き彫りとなった。写真は人民元紙幣。台北で2010年4月撮影(2021年 ロイター/Nicky Loh)

ロイターの集計によると、地方政府の今週の起債額は、総額2410億元(370億8000万ドル)前後に達する見通し。2月の起債総額は600億元だった。

通常、起債が集中すれば、利回りは上昇するが、あるアジア系銀行のトレーダーによると、銀行が大量の債券を購入したことで、市場の安定が保たれた。

中国の10年国債利回りは12日時点で3.2425%。前日比では小幅に上昇しているが、1週間前の3.2655%を下回っている。

同トレーダーは「市場の資金に余剰感がある。株価が急反発しても、金利はほとんど動かない。社会融資統計は素晴らしい内容だったが、市場はやはり動かなかった」と述べた。

2月の信用の伸びは市場予想を上回った。景気が回復しても政策を突然変更することはないと表明した中国人民銀行(中央銀行)の意向に沿った形となった。

人民銀行はこうした方針に従い、市場を脇から見守っており、今週は公開市場操作を通じた資金供給・吸収を見送った。

<米債券市場とは対照的>

こうした中国債券市場の安定は、海外市場とは対照的だ。

米10年債利回りは、インフレに対する懸念を背景に年明けから64ベーシスポイント(bp)近く急伸。中国の10年債利回りは約11bpの上昇にとどまっている。

CSOPアセット・マネジメント(香港)のポートフォリオマネジャーは「中国国内市場の国債と海外国債の相関度は依然として低い。分散化の大きなチャンスかもしれない」と述べた。

中国政府は、2019年や20年とは異なり、地方政府債の年間発行枠を全国人民代表大会(全人代、国会に相当)前に発表しなかった。

ソシエテ・ジェネラル(香港)のアジア・マクロ戦略担当ディレクターによると、これを受けて、地方政府が発行枠の発表まで起債を控え、発表後に起債が急増するとの懸念が出ていた。

中国政府は、2021年の地方政府特別債の発行枠を3兆6500億元に設定。昨年は3兆7500億元だった。

ただ、同ディレクターは、地方政府と中央政府を合わせた起債ペースは昨年並みとなっており、「供給過剰により、中国の金利が今後上昇するとの見方には同意しかねる」と述べた。

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up