March 17, 2020 / 5:27 AM / 10 days ago

コラム:場違いな中国の自信過剰、経済のV字回復にはハードル

[香港 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国が経済で自信過剰になるのはいかにも早過ぎるし、軽率だ。小売売上高や固定資産投資が統計開始以降で初めて減少したし、輸出市場は停止寸前で、中国政府には経済見通しを引き下げるあらゆる理由がある。

 3月16日、中国が経済で自信過剰になるのはいかにも早過ぎるし、軽率だ。小売売上高や固定資産投資が統計開始以降で初めて減少したし、輸出市場は停止寸前で、中国政府には経済見通しを引き下げるあらゆる理由がある。写真は北京のショッピングセンターで、習近平国家主席が映されたテレビを見る人。10日撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

しかし、政府は新型コロナウイルスの影響からの急速な回復を予想しようとしており、従来の約6%の成長率見通しにしがみつこうとしている。もっとも、これをもぎ取ってしまったら、さらなる市場の混乱が起きるだろうが。

中国国家統計局が16日に繰り広げて見せたのは悲惨としか言いようのない数字だった。1─2月のほとんどの期間に全土の商業活動がまひしていたのだから、だれもが悪いニュースを予想してはいた。そうであってさえ、経済指標は想定以上の厳しい結果だった。これは中国以外の諸国にとって、先行きに痛みが待ち構えているとの警告になる。

不動産部門は不安定を示した。このセクターは、鉄鋼から金融、浴室の造作に至るまで、さまざまな産業の需要にとって大きな牽引役。ところが、新築住宅着工は前年同期比45%減少した。

小売売上高は20.5%減、固定資産投資は24.5%減で、いずれもマイナスは初めて。鉱工業生産は1990年以降で初めて落ち込んだ。恐らく中国は、1970年代に終わった文化大革命以来のひどい経済状態を今年1-2月で経験した。

こうしたことを考えると、政府の楽観論は、まったくもって仰天せざるを得ない。国家統計局が3月に予想するのは「大きな改善」だ。労働者が職場に戻り、工場やレストランやアップル・ストアなどが再びドアを開けることになっているからだ。それはそれでもっともらしいが、中国政府は同時に、特別な手だてなしに従来通りの経済成長目標をなおも達成できると見込んでいる。実際のところ、中国人民銀行(中央銀行)は16日に市場への資金供給は行ったが、政策金利の引き下げは見送った。米連邦準備理事会(FRB)が100ベーシスポイント(bp)利下げした後であるにもかかわらずだ。

中国政府は概して、新型コロナを巡る経済的勝利を早くも宣言しようとしている。しかし、海外からの感染の逆流入を防げたとしても、同国の国内総生産(GDP)の約2割は輸出がもたらす。世界の経済活動は徐々に停止しつつある。つまり、いかなる国内の持ち直しも、対外ショックであっという間に台無しになりかねないのだ。

6%の経済成長を実現するには、国内の消費と投資の奇跡的な急増がない限り、財政と金融の両面で徹底的な刺激策が必要になる。それは次に製造業の過剰な設備能力につながり、不良債権をさらに積み上げることになる。信頼は歓迎だが、過信はそれほど歓迎されない。

●背景となるニュース

*中国国家統計局が16日発表した1─2月の固定資産投資は前年同期比24.5%減少した。ロイターが実施したエコノミスト調査では2.8%増と予想されていた。不動産販売(床面積ベース)は39.9%減少、小売売上高は約20%減った。

*中国人民銀行は16日、中期貸出制度(MLF)の金利を3.15%に据え置くとともに、同日午前の公開市場操作で金融機関に1000億元(143億ドル)を供給した。

*人民銀は13日、市中銀行に義務付ける中銀預け入れ資金の割合である預金準備率を引き下げた。引き下げは今年2度目。新型コロナで打撃を受けている経済を支援するためで、5500億元の資金供給効果を見込んだ。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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