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コラム

コラム:コロナでも急回復の中国、「一人勝ち」に世界がいらだち

[香港 22日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 新型コロナウイルスのパンデミックから中国経済が急速に回復し続けている。来年になれば世界にとって、この「中国一人勝ち」を素直に受け入れるのは一段と難しくなるだろう。

12月22日、新型コロナウイルスのパンデミックから中国経済が急速に回復し続けている。写真は7日、買い物客でにぎわう武漢の繁華街(2020年 ロイター/Aly Song)

武漢市で見つかった新型コロナウイルスを素早く封じ込めることができた習近平国家主席が率いる指導部は素早く工場の稼働を再開し、世界の輸出市場において中国企業が高いシェアを確保する展開になっている。人民元が堅調に推移している点からすると、次にやってくるのは中国勢による海外M&Aの再開だ。経済的に苦境に立つ国、特に途上国にとって、こうした中国マネーには拒みがたい力がある。

現状、中国経済が優位に立っているのは驚くに当たらない。世界で最初に景気後退に突入したが、極めて厳しい感染対策を講じたことで、経済が立ち直ったのも一番早かった。もっとも中国が感染発生地帯を封鎖した後も、同国から世界中の空港に飛行機が飛び続け、パンデミックを引き起こす一因となった。その結果、世界銀行の試算では今年の世界経済はマイナス5%成長に沈んだ見込みだ。

だからこそ欧米は、最近の中国の好調な貿易動向にいらだちを募らせている。7月までに世界の輸出に占める中国の割合は14%に到達。これは米国が1981年に成し遂げて以来という高いシェアだ。7月の輸出額も前年比3%増の1580億ドル(約16兆3700億円)で、先進国の7%減と好対照をなした。つまりは中国が海外経済を支える以上に、海外の需要が中国の景気回復を後押しした。

中国の対外収支黒字が急増したのは、同国が医療機器市場を牛耳っていることや、海外旅行を禁止している影響もある。2つとも一時的な要因で、今後は巻き戻しが起きるだろう。それでも中国のメーカーは外国のライバル企業が混乱している機会を巧みにとらえている。例えば建設機械・重機大手米キャタピラーと競合している中連重科は上半期業績報告で、西側企業が「長らく独占していた」マレーシア市場についに食い込んだと胸を張った。

西側からすれば、さらに神経を逆なでされる材料が出てくるかもしれない。今年の人民元はドルに対して6%強上昇しており、中国企業が海外M&Aに再び乗り出す環境が整っている。こうした海外M&Aは、外国政府が阻止に動き始めたことや、中国政府が企業のバランスシートがあまりに膨張することに懸念を表明したため、下火になっていた。

しかし人民元高を受け、中国政府は投機的な資金流入の影響を打ち消す意味で、海外投資を奨励しつつある。外交的な摩擦によって西側諸国の市場は引き続きハードルが高いかもしれないが、トルコなどより貧しい国は、厳しい状況に苦闘している地元企業を中国勢が救ってくれるのを喜んでもおかしくない。人民元はトルコリラに対して年初から今月半ばまでに29%上昇した。幾つかの中国国有企業は既に、中南米で資産を取得している。

新型コロナで自国経済がぼろぼろになる前は、中国の影響力を抑え込もうとしていた政治家たちが、価値が急減した資産が買われていく事態を容認するのはつらいだろう。だが我慢して「苦い薬」を飲み込まなければならないかもしれない。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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