[北京 9日 ロイター] - 中国の有識者が長年にわたり日本政府主催のイベントに参加していたことに対し、インターネット上の民族主義者が激しく非難したことを受け、中国外務省は9日、日本との文化交流には価値があると擁護した。中国は対日を中心とする国際問題を巡り「戦狼外交」と呼ばれる強硬姿勢を取ってきたが、それとは対照的な動きとなる。
中国では先週、日本の外務省所管の国際交流基金の支援を受けて2008─16年に訪日した144人の中国の有識者リストに著名な学者や作家の名前があったことを受け、民族主義を主張するネットユーザーからの非難が噴出。一部のユーザーは有識者が金銭的な利益を求めて日本に便宜を図っているとし、売国奴の烙印を押した。
中国外務省の汪文斌報道官は定例会見でこの件について問われ、政府が支援する人と人との交流は日中関係にプラスに働いていると指摘。「日中両国の国民が健全で安定した交流を続けることで、より多くの理解と信頼、そして深い友好関係を得ることを望んでいる」とした。
中国の習近平国家主席は先週、「真の3次元の包括的な中国」を伝えるには世界に向けてメッセージを発信する能力を向上させることが極めて重要だと語っていた。
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