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中国指標:識者はこうみる

[19日 ロイター] - 中国国家統計局が19日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比4.9%増加した。伸び率は前期の3.2%から加速したが、ロイターがまとめたアナリスト予想の5.2%を下回った。

中国国家統計局が19日発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比4.9%増加した。上海で9日撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

市場関係者のコメントは以下の通り。

●雇用の安定で「内循環」が機能

<ING(香港)の中国担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏>

第3・四半期GDPの数字が悪いとは思わない。予想に届かなかっただけだ。人々はこのところの中国経済の回復に注目している。

中国での雇用創出は極めて安定しており、就業者の増加につれて消費が増えるという、政府が呼ぶところの「内循環」がまさに機能している。

中国ですでに職がある人や職を維持できる人は全く問題を抱えていない。中国人民銀行がGDP統計を受けて何らかの措置を講じることはなく、日々の定例オペで流動性供給を断続的に行うだけだろう。中国には欧米のような追加の景気刺激策は必要なく、むしろ失業者支援など的を絞った対策が必要と思われる。

●追加利下げ予想せず、第4四半期は6%超か

<UOB(シンガポール)のエコノミスト、WOEI CHEN HO氏>

(第3・四半期のGDP伸び率は)4.9%だったが、これはわれわれの予想通りだった。第4・四半期については、これまで5.7%前後と予想していたが、内需の回復を踏まえると、6%を超える水準が妥当になると思える。このため、通年の経済成長率は1.9%前後になるだろう。

第3次産業がけん引役となる見通しだ。鉱工業生産はすでにかなりの回復を見せており、第2次産業は2019年第1・四半期以来の高い伸びを記録している。このため、第4・四半期は多少減速するのではないか。

現時点では、追加利下げは予想していない。中小企業への支援は継続するだろう。今後は内需の刺激が焦点になると思う。

●強い回復継続、今後は消費がけん引役に

<マッコーリー・キャピタル(香港)のエコノミスト、LARRY HU氏>

第2・四半期に比べて非常に強い数字だった。つまり、景気回復は続いており第4・四半期は成長率が5.5%に加速するかもしれないし、来年の第1・四半期は今年が非常に低かった反動で15%になるかもしれない。

鉱工業生産と小売売上高の月次データを見ると、全て非常に強い景気回復を示している。回復のけん引役が変わりつつあることも分かる。第2および第3・四半期は経済の50%を占める投資、輸出が主なけん引役となった。今後は残る50%、特に消費のけん引力が強まるだろう。実際、9月の小売売上高は大幅に予想を上回った。

10月については、大型連休中の消費が非常に堅調だったのは既に分かっている。つまり、10月は消費と小売売上高の伸びが引き続き加速するのが確実だ。今後数カ月で最も重要なのは、サービス消費がキャッチアップできるかどうかだ。

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