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アングル:中国、景気減速回避に向け財政出動加速へ 金融緩和は小幅に

[北京 3日 ロイター] - 新型コロナウイルスのデルタ型変異株や洪水などのリスクが中国の景気回復を遅らせる恐れがある中、政策関係者やアナリストは同国がインフラ支出を加速させつつ、中国人民銀行(中央銀行)が小幅な緩和措置で支援すると予想している。

 8月3日、新型コロナウイルスのデルタ型変異株や洪水などのリスクが中国の景気回復を遅らせる恐れがある中、政策関係者やアナリストは同国がインフラ支出を加速させつつ、中国人民銀行(中央銀行)が小幅な緩和措置で支援すると予想している。上海で7月13日撮影(2021年 ロイター/Aly Song)

アナリストらによると、中国指導部は今年下期に経済成長が一段と減速し、解雇が広がる事態を阻止したい考え。しかし、債務リスク削減への長期の取り組みに逆行しかねない刺激策の拡大には消極的という。

中国経済は、予想以上に好調な輸出にけん引されてコロナ禍前の成長水準まで回復したが、消費や投資に弱さが見られ、景気拡大のペースは鈍化しつつある。

先週の共産党中央政治局会議では、不均一な国内景気回復と世界的な先行き不透明感を踏まえ、穏健な姿勢を維持する方針を示した。

政府に助言する政策関係者は「経済への下向き圧力が増しているが、対応手段は十分にある」とし、「的を絞った景気支援を提供するには、財政政策のほうがより有効になる」と述べた。

<地方政府、下期に債券発行加速か>

中国経済の今年の成長率は8%を上回る見通しだが、アナリストは、新型コロナに絡む累積需要は既にピークに達し、成長は鈍化し始めていると指摘する。

国内製造業部門は原材料価格の上昇と世界的なサプライチェーン(供給網)の制約に悩まされている。一方、一部の省で最近起きた豪雨・洪水災害に加え、世界各国でのデルタ株の感染拡大や国内での感染確認が事業活動に混乱を引き起こしている。

アナリストは、地方政府には大型プロジェクトの資金調達のため債券発行を加速させる余地があると指摘する。当局は第14次5カ年計画(2021─25年)でプロジェクトを承認したが、債務リスクをコントロールしようと今年の債券発行はゆっくりとした出だしとなった。

中国財政省の統計によると、地方政府による今年上期の特別債発行額は差し引き1兆0100億元(1563億ドル)で、年間発行枠の28%となった。

シティグループの中国担当チーフエコノミスト、Li-Gang Liu氏はこれについて「下期に省政府の特別債発行が加速し、投資を促進することを示唆している。この財政政策面での緩和措置が下期の成長を支えるだろう」と述べた。

1─6月の中国のインフラ投資は7.8%増と、1─5月の11.8%増から伸びが鈍化した。

だが、政治局会議で指導部は、特別債発行で調達した資金の一部は今年終盤か来年初めに使用が限定される可能性を示唆した。中国は来年、党指導部の入れ替えを控えている。

<金融緩和は小幅に>

政策関係者やアナリストは、人民銀行が下期に補助的な役割を果たすとみている。流動性押し上げに向けて年内に預金準備率(RRR)を再び引き下げる余地があり、そうなれば地方政府の債券発行が促される。

7月15日から実施された預金準備率引き下げでは、約1兆元の長期流動性が放出され、成長を下支えする見通しだ。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)が緩和縮小を検討する中、人民銀行は金利引き下げには慎重にならざるを得ないかもしれないとアナリストは指摘する。FRBが緩和縮小に踏み切れば、中国からの資本流出が増加し、人民元への圧力が増す可能性があるためという。

中国銀行の調査責任者、Zong Liang氏は「FRBが政策を引き締めれば、中国は積極的な緩和は行わないだろう。資本流出が加速し、為替レートに圧力が加わるためだ」と語った。

人民銀行は小規模事業者に的を絞った支援策を維持する一方で、債務リスクを抑制するため、コロナ禍に関連した刺激策を縮小している。6月の社会総融資の伸びは11%で、約3年ぶりの高い伸びとなった20年10月の13.7%から減速した。

(Kevin Yao記者)

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