[北京 12日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は12日、1月の新規人民元建て融資は過去最高の2兆9000億元(4583億ドル)と発表した。12月の5844億元から急拡大し、ロイターがまとめたアナリスト予想の2兆元も上回った。
中国の銀行は年初に優良顧客への融資を前倒しで実施し、シェア拡大をはかる傾向がある。ただ今回の数字は、アナリスト予想の最高額も上回った。
1月は前年同月からは13.2%増加。増加率は12月の12.7%から加速したほか、予想の12.5%も上回った。2017年は13兆5300億元と、これまでの過去最高だった16年から7%増加した。
月額ベースでのこれまで過去最高は2016年1月の2兆5100億元。新規融資の増加は中国経済の支援要因となるだけでなく、欧米の中央銀行が景気刺激策の縮小に着手するなか、世界的な流動性の下支えとなる可能性がある。
融資の内訳を見ると、家計と企業の融資需要が増大。Hwabao Trust(上海)のエコノミスト、ニ・ウエン氏は、「世界的な需要が堅調となっていることを背景に民間投資と製造業の投資が増加しており、家計融資も土地需要に後押しされる可能性がある」と指摘。「上半期に経済は減速する可能性があるが、急な減速にはならない」と述べた。
人民銀が公表したデータに基づくロイターの計算によると、1月は企業融資が1兆7800億元と、前月の2432億元から大きく増加したほか、家計融資は9016億元と、3294億元から増加した。
マネーサプライM2伸び率は前年比8.6%で、アナリスト予想の8.4%、12月の8.2%を上回った。
1月末時点の人民元建て融資残高は前年比13.2%増。アナリスト予想は12.5%増、12月は12.7%増だった。
2017年の新規融資は過去最高の13兆5300億元だった。
1月社会融資総量は3兆0600億元(4835億5000万ドル)で、12月の1兆1400億元から大幅に増加した。
1月末時点では前年比11.3%増の177兆6000億元(28兆0600億ドル)。
社会融資総量は、通常の銀行貸出システム外のオフバランス融資を含み、シャドーバンキングの動きを示す目安とされている。
*内容を追加します。
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