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焦点:中国経済、旧来のけん引役が「減速」食い止め
2017年9月9日 / 10:46 / 2ヶ月後

焦点:中国経済、旧来のけん引役が「減速」食い止め

[北京 7日 ロイター] - 中国経済は、減速するとの見方に反して引き続き堅調に推移している。外需は強く、政府による製造業の再編によってこの部門の収益が上向いた。さらに不動産市場が底堅く、財政支出と切れ目ないインフラ投資が内需をしっかりと支える構図だ。

 9月7日、中国経済は、減速するとの見方に反して引き続き堅調に推移している。安徽省の建設現場で7月撮影(2017年 ロイター/Yawen Chen)

こうした状況から、今年の中国の経済成長率は過去7年間で初めて前年から加速する可能性は十分にある。

政府系シンクタンク、国際経済交流センター(CCIEE)のシニアエコノミスト、ワン・ジュン氏は、好調な経済について「1つは政府の投資、もう1つは不動産市場の効果だ」と指摘。特に不動産市場の強じんさは想定より強い成長の背後にある重要な要素で、結局のところ経済成長は依然として旧来のけん引役のおかげでもたらされているとの見方を示した。

ワン氏は今年の成長率は6.8%と、政府目標の6.5%前後を上回ると予想している。昨年実績は6.7%で26年ぶりの低さだった。

しかし不動産と輸出という昔ながらの成長主導セクターは、国有企業の割合が大きく、多額の負債を抱えているだけに、それに頼れば長期的な経済の足取りへの懸念が生まれる。

固定資産投資に占める国有企業の比率に至っては過去最高に達し、政府の直接的なインフラ支出は20%の伸びを記録している。片や固定資産投資全体の伸びは1桁台に鈍化したにもかかわらずだ。

CCIEEのワン氏によると、今年の政府予算の増加ペースこそ昨年をわずかに上回る程度にとどまっているとはいえ、政府支出データには予算外の支払いは含まれない。つまり官民パートナーシップや地方政府の起債を通じても公的投資は行われている。

また華宝信託のエコノミスト、ニエ・ウェン氏は、今年の新規不動産開発投資は昨年よりも急速に増え、不動産販売は需要が中小都市に広がっていることから予想よりも堅調に推移している、と説明した。

過去2年低迷していた輸出も持ち直し、1─7月はドルベースで7%増加した。

<借金による竹馬>

こうした成長軌道を踏まえ、習近平国家主席が一段と権力基盤を固めると見込まれている10月の共産党大会後に、政府が国有企業などの厳しい改革を推進するかどうか、投資家は注目している。

国有企業は上流部門を支配し、コモディティ価格上昇の最大の受益者であり、競争力の劣る民間企業に設備閉鎖や廃業を強いる形でさらに力を強めつつある。

実際、長江商学院のガン・ジエ教授が国内製造業2000社を対象に最近実施した調査では、国有企業の民間企業に対する優位性は拡大している。

中国は大規模な債務の積み上がりという問題もずっとくすぶり続けている。北京大学のマイケル・ペティス教授は、中国の成長モデルに大きな変化は見られず、借り入れが名目国内総生産(GDP)を上回るペースで膨張していると主張。中国の潜在成長率は、現在のGDP成長率よりもずっと低いとみている。

ペティス氏はロイターに「実力相応より高い成長を望むなら、借り入れに動く。では債務問題はどう解決するか。答えは簡単で、成長目標(達成)をあきらめるのだ。GDP成長率の目標を掲げたまま債務は減らせない」と語った。

(Elias Glenn、Kevin Yao記者)

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