[北京 7日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は7日、一部市中銀行の預金準備率を引き下げると発表した。銀行の資金調達コストを引き下げ、中国経済の成長を刺激するのが狙い。
現在の準備率は大手銀行が15.5%、中小銀行が13.5%。10月15日からこれを1%ポイント引き下げる。預金準備率の引き下げは今年4回目。
景気がさらに減速する兆候を示し、固定資産投資の伸びが過去最低水準に落ち込む中、中国政府はインフラ投資を促進する方針を打ち出している。
人民銀によると、今回の準備率引き下げにより総額1兆2000億元の流動性を放出。そのうち4500億元は償還期限を迎える中期貸出ファシリティー(MLF)の返済で相殺されることから、正味で7500億元(1092億ドル)の流動性を供給につながるという。
人民銀は準備率の引き下げで人民元に下押し圧力は生じないと強調。穏健で中立的な金融政策を維持し、市場の観測を安定させるために引き続き必要な措置を講じていく方針を示した。
その上で「信用と社会融資総量の妥当な伸びを導いていくため、適度に潤沢な流動性を維持する」と表明した。
ただ、一連の新たな景気支援措置や金融の緩和により、債務削減の取り組みが再び棚上げになると懸念も強まっている。
8月には中国国家発展改革委員会(発改委)も、国内企業の債務の株式化を促進するため、市中銀行に対する預金準備率の的を絞った引き下げなどの金融政策を活用していく方針を示した。