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アングル:中国eスポーツ、規制強化で天才プレーヤー発掘困難に

[上海 7日 ロイター] - 上海を拠点とするeスポーツチーム「侠盗勇士(Rogue Warriors)」のメンバーはガラス張りの会議室で、ときに食事を挟みつつ、スマートフォンをたたき、午前11時から深夜までトレーニングに励む。

騰訊控股(テンセント・ホールディングス)のオンラインバトルゲーム「伝説対決(Arena of Valor)」のプロプレーヤー、チャン・カイフェンさん(19)は「1日24時間のうち15時間はビデオゲームをしているよ」と話す。ゲームの腕を保つには長時間プレーすることが必要だという。

ビデオゲームを用いた対戦競技の「eスポーツ」。中国は世界最大のeスポーツ市場で、チームの数は5000余りと言われる。しかし、ゲーム中毒の抑制を狙う政府の新規制で、チャンさんのようなキャリアを目指すのは難しくなるだろう。

中国政府はゲーム企業に18歳未満のネットゲーム利用を週3時間に制限するよう求め、10代の若者から怒りの声が上がっている。これまでの利用制限は平日が1.5時間、週末が3時間だった。

eスポーツのトッププレーヤーは10代のうちに発掘され、20代半ばで引退するのが一般的。専門家によると、トレーニングの激しさは五輪の体操選手や飛び込み選手並みだ。

米ライアット・ゲームズのオンラインバトルゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」のプレーヤーとして世界的に有名なウー・ハンウェイさんは14歳でプレーを始め、16歳でチームに加入した。

北京大学電子工学・コンピュータサイエンス学部のチェン・ジャン准教授は「規制強化により、若者がeスポーツ界でプロのプレーヤーになるチャンスは、ほぼなくなった」と話した。

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今回の規制強化は、eスポーツという中国の巨大産業の土台をむしばみもする。eスポーツのトーナメントは10億ドル規模のスタジアムで開催されることが珍しくなく、対戦の様子は多くの視聴者にライブでストリーミング配信される。

中国共産党の機関紙、人民日報によると、中国のeスポーツファンは推定4億人以上。中国のコンサルタント会社・アイリサーチの分析では、昨年の国内eスポーツの市場規模は約1470億元(230億ドル)相当に上る。

侠盗勇士に所属するプレーヤーは90人。寮や食堂を備えた3階建てのビルでトレーニングを行っているが、規制強化の影響についてはコメントを避けた。

中国の別の大手チームの幹部は、規制強化で多くの才能が発掘されずに終わるだろうと話す。

「本当のトッププレーヤーというのは、たいていは天賦の才能があって、チームに加入する前に必ずしも長時間プレーしているわけではない。才能を持たない選手も、最終的に非常に優れたプレーヤーになり得る。だが、そのためには多大な練習が欠かせない」と言う。

今回の規制強化は個人を対象にせず、ゲーム企業に責任を負わせており、ゲーム会社は未成年のネットゲーム利用について実名と国民ID番号での登録を義務付ける。

専門家の話では、腹をくくった未成年者が親の助けを借りて、成人として利用登録すれば、この規則を逃れることは可能だ。

中国当局は、規制強化がeスポーツ業界に与える影響に触れていない。だが、北京大学のチェン氏は、未成年のプレーヤーについてはある程度、規制を免れる余地があると指摘した上で「政府はさらに追加的な策を導入するかもしれない」と予想している。

(Josh Horwitz記者、Sophie Yu記者)

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