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アングル:輸出市場の中国シェア、過去50年で最大 貿易摩擦悪化も

[上海 22日 ロイター] - 世界的に需要が低迷する中、中国の輸出がシェアを伸ばしている。価格の安さよりも製品の信頼性が評価され始めるなど中国にとっては朗報だが、他国との貿易摩擦の悪化にもつながっている。

 4月22日、世界的に需要が低迷する中、中国の輸出がシェアを伸ばしている。価格の安さよりも製品の信頼性が評価され始めるなど中国にとっては朗報だが、他国との貿易摩擦の悪化にもつながっている。上海の港で2月撮影(2016年 ロイター/Aly Song)

国連の貿易開発会議(UNCTAD)のデータによると、世界の輸出市場における中国のシェアは2015年に13.8%と14年の12.3%から拡大。1968年に米国が記録した水準以来で最大となった。

労働コストの上昇や人民元が過去10年間に対ドルで20%近く値上がりしたことを踏まえ、同国がより安価な国にシェアを奪われるとの見方が一般的となっているが、データはこうした見方に反する結果となった。

実際、過去数十年にわたる産業の発展期に構築された中国製造業のインフラは、引き続き好調な輸出を可能にし、価値の高い製品の供給に向けた基礎を企業に提供している。

デンマークの銀製品メーカーで中国担当ゼネラルマネジャーを務めていたフレデリック・ギトマン氏は「中国は代替できない」と指摘。価格よりも納期の信頼性が重要だとし、「彼らが45日と言えば、(納期は)45日だ」と語った。

ただ、中国は鉄鋼など過剰生産能力に直面する産業の過剰在庫を出荷しており、貿易摩擦にもつながっている。米国や日本など8カ国・地域は今週、鉄鋼の世界的な供給過剰に対する早急な行動を呼びかけた。

また中国の輸入は15年に14%超減少しており、エコノミストの間では、中国が国内市場から海外ブランドを締め出す「輸入代替」戦略を展開しているとの見方が出ている。

<強み>

海外市場での中国企業の強さは、大規模で統合されたサプライチェーンのインフラに投資していることが大きく関わっている。これにより、中国は生産の一部やすべてをアウトソースしている海外企業に迅速に対応することができ、高い信用も得られている。

ギトマン氏は「信頼性とスピードは価格より重要だ」と指摘。「品切れは、少しの価格上昇よりも大きな打撃となる」と語った。

ドローン(無人機)や風力発電機器のメーカーなど中国の中堅企業の多くは、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)0700.HKのようなインターネットサービス企業が持つブランド力に欠けるものの、海外のライバル企業にとってより大きな脅威になるとアナリストらは指摘する。

オッペンハイマーによると、良い例がドローンメーカーのSZ DJIテクノロジーで、同社は深センにあるスマートフォン(スマホ)部品製造のエコシステムを利用し、米国で市場シェア70%を獲得している。

<課題>

ただ中国の輸出市場シェアは拡大したものの、輸出全体は減少しており、中国企業は米アップルAAPL.Oのようなブランド力もまだ持ち合わせていない。

中国の生産者の価格決定力は過去4年間低下しており、中国政府も厳しい見通しを示す。

商務省の沈丹陽報道官は19日、「今年の対外貿易を取り巻く環境は引き続き複雑で悲観的だ」と指摘した。

Elias Glenn記者、Pete Sweeney記者 翻訳:佐藤久仁子 編集:加藤京子

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