[北京 19日 ロイター] - 米ボックス・オフィス・モジョによると、朝鮮戦争をテーマにした中国映画「長津湖」が週末の世界興行収入ランキングでトップに立った。同国で高まる愛国心ブームに乗り、国内で人気を集めている。
アリババ・ピクチャーズ傘下の興収調査会社ライトハウスによると、今月1日に公開された同作は19日までに約50億元(7億7913万ドル)の興収を記録。
ボックス・オフィス・モジョの集計でも、007最新作やマーベル作品などの世界的ヒット作を抑えて、7300万ドルを稼いだ。
ライトハウスによると、中国の映画館で現在上映されている作品の半分を長津湖が占めているという。
この作品は、朝鮮戦争に参戦した中国兵たちが厳しい寒さの中で、装備に恵まれた米軍と戦う姿を描いた一連の愛国映画の最新作で、製作に2億ドルが投じられた。新華社によると、製作では中国政府の宣伝部の支援を受けた。
作品では、米兵士が感謝祭の七面鳥を食べる一方で、中国兵らが戦闘の合間に凍ったジャガイモを食べるシーンがあり、動画アプリによると冷凍ジャガイモを配る映画館もあるという。
北京大学のチャン・イーウー教授は、国産映画の人気が高いことについて「ハリウッドの映画産業はこれまで世界の観客に向け標準的な製品を作ってきたが、中国市場に対応する方法を学ぶ必要があるかもしれない」と語った。
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