November 23, 2019 / 12:33 AM / 17 days ago

焦点:中国の人工肉市場に熱気、米中メーカーが火花

[北京/上海 19日 ロイター] - アフリカ豚コレラ(ASF)の拡大や米中貿易戦争による食肉価格の上昇などを背景に、中国で植物由来の人工肉の人気が高まり、ここ数カ月、スタートアップから老舗まで幅広い企業の参入が続いている。これまで中国向けに代替肉ビジネスを拡大してきたインポッシブル・フーズ(BYND.O)などの米企業にとっては、地元企業との厳しい競争を強いられる展開となりそうだ。

 11月19日、アフリカ豚コレラ(ASF)の拡大や米中貿易戦争による食肉価格の上昇などを背景に、中国で植物由来の人工肉の人気が高まり、ここ数カ月、スタートアップから老舗まで幅広い企業の参入が続いている。写真は菜食主義をテーマにしたフードフェアで、人工肉を使った点心を持つ女性。8日撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

<中国独自のレシピで攻勢>

中国では珍肉(Zhenmeat)、スターフィールドといった人工肉のスタートアップ企業が登場したほか、ホール・パーフェクト・フード(齊善食品)など植物由来食品を扱う老舗企業も新製品を開発している。

ハムメーカーの金字火腿(002515.SZ)は10月、米デュポン(DD.N)の中国子会社と共同開発した植物性タンパク質利用の人工肉を発売すると発表し、株価が1週間で50%も急騰した。

米国のインポッシブル・フーズやビヨンド・ミート(BYND.O)と異なり、大半の中国企業はハンバーガーではなく餃子や月餅、肉団子など中国の食品に的を絞り、フレーバーも牛肉ではなく中国人の味覚に合う豚肉を採用している。

齊善食品の販売幹部、Zhou Qiyu氏は「米欧企業は揚げる、ローストする、焼くといった調理法において豊富な経験を持つが、中国には異なる食文化と調理法がある」と語る。

<急拡大続く菜食主義市場>

創業1年の珍肉の場合、エンドウ豆由来タンパク質を使った「肉」を月餅に採用し、国営メディアに「中国版ビヨンド・ミート」と持ち上げられた。

珍肉の共同創業者、ビンス・ルー氏は肉団子や餃子も検討していると説明。「当社は豚肉の風味を分析しており、それによって米国の競合社との違いを出すつもりだ」と語る。

齊善食品は20年前から、菜食主義者の多い仏教徒向け商品を中心に事業展開してきたが、最近は大豆やエンドウ豆由来のタンパク質を使ったソーセージを開発し、スパイシー風味から牛肉風味まで40種類導入した。

ユーロモニターによると、中国の「菜食主義」市場は2014年から33.5%拡大して97億ドルとなった。23年までに119億ドルに達する見通しだという。

インポッシブル・フーズは、中国を将来有望な海外市場の筆頭とみなし、「インポッシブル・バーガー」を中国料理風に適応させるのは容易だとしている。

米ビヨンド・ミートのセス・ゴールドマン執行会長はロイターに対し、エンドウ豆由来肉を中国市場向けにカスタマイズし、餃子などの商品を作る計画だと説明。「中国市場でうける商品をわが社が作れない理由は何もない」と述べた。

中国は長年、豆腐や「肉もどき」を食べてきた文化があり、植物性の原料で肉に似た食感を出すことには慣れている。

食品技術ベンチャーキャピタル、ビッツXバイツのマネジングディレクター、マチルダ・ホー氏は「エンドウ豆や大豆のタンパク質を使い、添加物をたくさん加えて丸め、市場に売り出すだけでは何の工夫もない。消費者からすれば味はひどく、大量の供給に見合うほどの需要は見込めないだろう」と言う。

人工肉メーカーの創業者は「揚州スタイルの肉団子は、でこぼことした舌触りだが、火鍋用の肉団子はカリッとしている。外国性の植物由来食品は中国人の胃に合わないから、中国では成功できそうにない」と語った。

<流行に敏感な若者世代に照準>

中国市場は規模が大きく、商機は豊富にありそうだ。しかもタイミングが良い。

アフリカ豚コレラの感染拡大で豚の推定半分が処分されたことで、中国の豚肉価格は急騰している。くすぶる米中貿易戦争の影響で、牛肉その他の食肉価格も上がった。

「中国で広がりつつある食肉由来タンパク質の流行にとって、これは大きなけん引役となるだろう」とホー氏は言う。

メーカーが頼みとしているのは、食品の流行に敏感で、新しい食品に飛びつく若い世代の需要だ。

 11月19日、アフリカ豚コレラ(ASF)の拡大や米中貿易戦争による食肉価格の上昇などを背景に、中国で植物由来の人工肉の人気が高まり、ここ数カ月、スタートアップから老舗まで幅広い企業の参入が続いている。写真は菜食主義をテーマにしたフードフェアに展示された、人工肉のポスター。8日撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)

インポッシブル・フーズの肉抜きバーガーを食べたくて、160キロ離れた広州市から香港まで旅してきた23歳のベジタリアン、リュー・ドンヤンさんもそんな1人。肉を食べる友達の間でも、ビーガン(厳格な菜食主義)食への関心が高まっているという。

「友達は以前、野菜とお肉は完全に別の食べ物だと思っていました。でも今は植物由来のお料理を出すレストランに一緒に行っても、大喜びで興味津々です」とリューさんは話した。

(Pei Li記者、Brenda Goh記者)

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