June 30, 2020 / 7:41 PM / 4 days ago

香港安全法で「一国二制度」揺らぐ、各国から批判相次ぐ

[ブリュッセル/東京 30日 ロイター] - 中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会が30日に香港での反政府的行動を取り締まる「香港国家安全維持法」を可決したことについて、「一国二制度」の下で自由が保証されていた香港に対する権威主義的な統治につながる動きとして、米英など西側諸国から批判が広がっている。

同法は香港における反政府的行動の取り締まりに向け、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託の4種類の活動を犯罪行為と定め、最大で終身刑を科すなどするもので、30日1500GMT(日本時間7月1日午前0時)、香港の中国返還23周年記念を前に施行された。

米国家安全保障会議(NSC)のジョン・ウリオット報道官は声明で「中国は香港を『一国一制度』の下で扱い始めたため、米国もこれに倣う必要がある。中国に直ちに態度を反転させるよう呼び掛ける」とし、「米国は香港の自由と自治を阻害した人物に対し強硬な措置を取り続ける」とした。

米民主党のペロシ下院議長は、この「残酷な」香港国家安全維持法は平和的に自由を求めていた人々を「震え上がらせ、抑圧する」ものとし、中国に対する制裁措置などの導入を呼び掛けた。

英国のラーブ外相は、中国は香港の人々と交わした約束を反故にする道を選んだとし、香港国家安全維持法の可決・施行は「深刻な措置」と批判。英国は香港に対するコミットメントに背を向けないとツイッターに投稿した。

英国のブライスウェイト国連大使は国連人権委員会で、欧州連合(EU)加盟国のほか、オーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、スイスなど27カ国を代表し、「香港国家安全維持法は『一国二制度』を揺るがすもので、人権に明らかに影響が及ぶ。この法律に対する深い懸念を表明する」と述べた。

中国、および香港当局は、香港国家安全維持法は香港の自由や投資家の利益を侵害するものではないとこれまでも繰り返し表明。ただEUは同法により香港の自治が阻害され、世界的な金融ハブとしての地位が揺らぎかねないと懸念を示してきた。

同法の可決・施行を受け、EUのミシェル大統領は記者会見で「(中国の)決定を遺憾に思う。香港国家安全維持法は香港の高度な自治を深刻に阻害するもので、法の統治の独立性に有害な影響が及ぶ」と述べた。

欧州議会は先週、中国が同法を施行した場合、EUは国際司法裁判所(ICJ)に訴えを起こす必要があるとしていた。

台湾行政院(内閣)は、香港国家安全維持法は自由、民主主義、人権を著しく阻害するものとし、台湾は香港の人々に対する支援を継続すると表明。蔡英文(ツァイ・インウェン)総統は、中国の動きに「極めて失望している」とし、中国のこうした行動により本土との統一の原則として中国が掲げてきた「一国ニ制度」は「実現不可能」であることが示されたと述べた。

中国を後ろ盾に持つ香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は国連人権委員会へのビデオメッセージで、安全を保全する中国の権利を尊重するよう呼び掛け、人口750万人の香港は「外国勢力に煽られた暴力の高まりに悩まされていた」とし、「いかなる中央政府もこのような主権と国家安全に対する脅威を看過することはできない」と述べ、香港国家安全維持法を擁護した。

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