[北京 18日 ロイター] - 中国国有の不良債権受け皿会社、中国華融資産管理(華融)は18日、2020年12月期の最終損益が暫定で1029億元(158億800万ドル)の赤字になったと発表した。同社は、事業再建を巡り不透明感が高まる中、年次決算報告を5カ月近く延期していた。
また、中国中信集団(CITIC)率いる国有企業連合との間で投資契約を締結したと明らかにした。「資本を増強し、持続可能な事業に向けた基盤を強化する」ための契約だと説明した。具体的な規模は明らかにしていない。今後当局の承認が必要になるという。
華融は、投資の失敗や積極的な拡大戦略が裏目に出て打撃を受けている。頼小民・元董事長が収賄で1月に死刑を執行され、年次報告の提出を延期するなどして経営が混乱していた。
同社は香証券取引所に提出した書類で赤字の要因について、保有資産のリスクや一部子会社のリスクを見直し、引当金に大幅変更があったためとしている。
頼小民・元董事長の裁判に伴い、同氏の積極的な拡大路線により生じたリスク資産の清算を進めてきたと説明。また、新型コロナウイルスの感染拡大により資産の質が想定以上に速いスピードで悪化したとも明らかにした。
ただ、流動性は十分確保しており、海外債務を期限通りに支払うことが可能だとしている。
華融は3月末が期限だった2020年決算発表を延期し、償還への懸念からドル建て債が一時大きく売られた。同社の社債がデフォルト(債務不履行)に陥った場合、海外投資家は多額の損失を被るとの懸念が高まり、他の発行体に対する警戒感も高まった。
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