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アングル:衛星写真で判明、インド軍との衝突前に中国軍が活発化

[18日 ロイター] - ヒマラヤ地帯にあるインドと中国の国境係争地で15日、両軍の衝突が起き、数十年で最大規模の死者が出た。衝突に至るまでの数日間に、中国側がこの地帯に機械類を持ち込み、山中に小道を切り開き、川をせき止めた可能性さえあることが、衛星写真から判明した。

 6月18日、ヒマラヤ地帯にあるインドと中国の国境係争地で15日に起きた両軍の衝突で、それまでの数日間に中国側がこの地帯に機械類を持ち込み、山中に小道を切り開き、川をせき止めた可能性さえあることが、衛星写真から判明した。写真は衝突現場のカシミール地方ラダックに通じるハイウェイを走行するインド軍。6月18日撮影(2020年 ロイター/Danish Ismail)

マイクロサイト:インドと中国の国境地帯で何が起きたか

インド政府筋とラダック地方のインド側当局者の説明によると、衝突のきっかけは、両国を隔てる実効支配線のインド側に中国がテント2基と監視台を設置したことだった。

衝突は1967年以降で最も深刻なものとなった。インドは中国軍が国境を侵して仮設の建造物を設置したとしてしており、5月初旬以降、国境地帯で緊張が高まっていた。そして6月15日、死者を出す衝突に発展した。

インド外務省によると、ジャイシャンカル外相は17日、中国の王毅外相と電話会談し、同月6日に両軍当局者が緊張緩和で合意した後も、中国がガルワン渓谷のインド側に「構造物」を建てようとしたと伝えた。この構造物が何であるかは明らかになっていない。

インドの偵察隊が、実効支配線から軍を後退させたとする中国側の主張を確認するために稜線近くまで出向いた際に問題が発生したと、状況を知る2人の政府筋は説明する。

中国軍は後退し、テント2基と小さな監視台を残していた。インド側は監視台を破壊し、テントを燃やしたという。

上に掲げた衛星画像は16日朝に撮影されたもので、実効支配線のインド側の高台に、この監視台の跡の可能性があるがれきが写っている。1週間前に撮影された画像には、そのような構造物はなかった。

しかし、インドの対応は反発を招いた。中国軍兵士の大隊が到着し、インドの部隊とにらみ合った。情報筋によると、彼らは実効支配線付近での行動規則にのっとって軽武装だった。

<そして衝突へ>

氷点下の寒さのガルワン渓谷で両軍が衝突した翌16日に撮影された衛星写真には、1週間前よりも活動が活発になっている様子が捉えられている。

地球画像を専門とするPlanet Labsが撮影した衛星写真には、ガルワン渓谷で道を広げ、土木工事を行い、川に渡河地点を築いたとみられる様子が記録されていると、ある専門家は指摘する。

衛星写真には、はげ山とガルワン川沿いに置かれた機材が写っている。

米カリフォルニアのミドルベリー国際大学院で東アジア不拡散プログラム担当ディレクターを務めるジェフリー・ルイス氏は、「中国が渓谷に道路を建設しているほか、川をせき止めている可能性があるように見える」と指摘する。

「多くの車両が実効支配線(LAC)の両側にあるが、中国側がはるかに多いようだ。インド側が30─40台で中国側が100台を優に超えている」

ロイターは、6月16日の画像に写っている構造物や車両、設備のすべてを数え、マークした。

下の画像は、実効支配線からさらに離れた川に沿ってトラックが増えた様子を示している。一方で、6月9日の画像以降、いくつかのテントが撤去されているようにも見える。

中国外務省の趙立堅報道官は、現地の状況を詳細に把握していないとしつつ、インド軍が最近の数日間に複数の場所で中国領に侵入したと強調。インド軍は撤退すべきだと述べた。

インドと中国の4056キロの国境は、西の氷河や雪におおわれた砂漠や川の地帯から、東の深い森林におおわれた山岳地帯まで広範囲に及ぶ。

ガルワン渓谷は極度に乾燥した人の居住に適さない地域で、兵士が急峻な稜線沿いに配置されている。インドが領有権を主張するが、中国が実効支配するアクサイチンへと続く地域であるため、重要視されている。

インドと中国は、時折小競り合いはあったものの、1967年以降は国境で銃撃戦を交わしていない。兵士はライフルを背中に下げておくよう指示されている。

中国兵の大隊が到着した後に何が起こったのかははっきりしないが、双方はすぐに衝突。中国側は鉄棒とスパイク付きのこん棒を使用したと、情報筋は明かす。

インド側の部隊を指揮していたサントシュ・バブ大佐も、20人の犠牲者の1人となった。すぐに多数のインド兵が駆けつけ、衝突は数時間に及ぶ乱闘に発展した。最終的に最大900人の兵士が関わったという。それでも、両軍とも発砲はしなかった。

中国外務省の趙報道官は、インド側の説明を否定した。「この事件の善悪ははっきりしている。責任は中国にはない」

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