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コラム

コラム:中国SMICの上海上場、香港との好循環占う試金石に

[香港 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国半導体受託生産(ファウンドリー)大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)0981.HKは本土上場の目標調達額を当初から2倍以上に引き上げ、66億ドルとした。国内の買い需要が強いことが理由だ。香港上場株の本土への重複上場で好循環が生まれるかどうかを占う試金石になりそうだ。

7月6日、中国半導体受託生産(ファウンドリー)大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)は本土上場の目標調達額を当初から2倍以上に引き上げ、66億ドルとした。上海証券取引所で2月撮影(2020年 ロイター/Aly Song)

同社の香港上場株の価格は年初から3倍以上に膨れており、海外の競合他社を大きく上回る評価を受けるという興味深い現象が起きている。

SMICを評価すべき理由は多数ある。中国政府が海外技術への依存が高過ぎると見なす国内半導体業界の成長推進の動きを、同社は主導している。米政府が通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)やその他の中国企業による米ハイテク品購入を制限する措置を取った結果、SMICの戦略的な重要度はさらに高まった。予想よりも早期の景気回復を背景に本土市場の有力企業300銘柄で構成するCSI300指数.CSI300は5年ぶりの高値を付けるなど、本土市場の環境は良好だ。

SMICは中国版ナスダックと呼ばれる、上海証券取引所の「科創板(スター・マーケット)」に上場する予定。同社株は政府系ファンドやシンガポールの政府系投資会社GIC、アブダビ投資庁をはじめとする機関投資家から需要を集めており、応募倍率は165倍近くに達した。株式上場による資金調達額は今年の世界最大となるのが確実だ。

本土上場を5月に発表して以降の香港市場での株価急騰も注目度を高める要因になった。リフィニティブのデータによると、この株価上昇で時価総額は150億ドル余り増え、2020年の予想利益に基づくPER(株価収益率)は約100倍に膨れ上がった。競合する台湾積体電路製造(TSMC)2330.TWは約20倍、韓国のサムスン電子005930.KSは15倍と、SMICを大きく下回っている。

しかし、この上乗せ幅の根拠を示すのは難しい。技術的にはSMICは海外の競合社に対して数年間の遅れがあり、米国の半導体製造装置が調達できなければ、遅れを取り戻すのはさらに難しくなる。7月6日の前場時点で、香港上場株は上海での株式売却価格を約20%上回る水準にある。

伝統的に本土上場株は同一企業の香港上場株よりも高い水準で推移する傾向があるが、興味深い逆転現象が起きている。SMICは香港の既上場企業で科創板に重複上場する初のケースとなる。香港・本土間で互いにどれだけの好影響を与えるかが注目される。

●背景となるニュース

*SMICが上海市場での上場で462億元(66億ドル)の資金調達を目指すことが、証券取引所への提出書類で明らかになった。

*1株当たり27.46元で17億株売却する。これは発行済み株式の23.6%に相当。この売却価格に基づくと、2019年の利益に基づく株価収益率は109.3倍。

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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