[上海/北京 12日 ロイター] - 複数の関係筋によると、中国の輸出拠点の1つである浙江省義烏市で、輸出業者によるドルから人民元への両替が制限されている。
人民元高の抑制が狙いとみられる。
銀行関係者によると、浙江省の外国為替規制当局は、昨年11月下旬以降、義烏市の商業銀行に対し、ドルから元への両替に際し、過去1年以内の税関申告書のみを受け入れるよう要請している。
これまでは期間を問わず、税関申告書を提示すれば、直ちに元への両替ができた。
元は昨年下半期以降、10%近く値上がりしており、外貨の保有リスクを減らしたい輸出業者による元への両替が増えているという。
中国国家外為管理局(SAFE)はロイターに対して「企業は商品取引で得た外貨収入を希望に応じて両替することが可能だ」と説明し、当局が企業のドル売りを制限しているとの臆測を否定した。
義烏市は、クリスマスツリー、お土産、玩具など雑貨の輸出が盛んで、中国の輸出動向を把握する上で注目されることが多い。
公式統計によると、2020年の義烏市の輸出は、前年比4.8%増の3006億元(463億4000万ドル)。中国全体の輸出の約1.7%を占めた。
*外為管理当局のコメントを追加しました
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