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アングル:人民元基準値の算出法見直し、値下がり阻止の手段か
2017年7月4日 / 07:14 / 4ヶ月後

アングル:人民元基準値の算出法見直し、値下がり阻止の手段か

[上海 3日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)が人民元の対ドル基準値(中間値)の算出方法を変更してから1カ月が経過した。人民銀はこの間、人民元の前日の終値が基準値を下回った場合にこの算出方法を適用しており、新たな手法が人民元安阻止に利用されている実態が浮き彫りになった。

 7月3日、中国人民銀行が人民元の対ドル基準値の算出方法を変更してから1カ月が経過。人民銀はこの間、人民元の前日の終値が基準値を下回った場合にこの算出方法を適用しており、新たな手法が人民元安阻止に利用されている実態が浮き彫りになった。写真は人民元紙幣。北京で2013年7月撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)

人民銀は5月下旬、人民元の対ドル基準値の算出方法について、需給状況をより良く反映させるために「カウンターシクリカル(景気循環)な調整要素」を導入した。

人民銀は「カウンターシクリカルな調整要素」の内容を明らかにしておらず、今回の制度変更で市場が人民元の基準値を予測することはほぼ不可能になった。

新たな算出方法導入は人民元の安定を図るもので、特に人民元の過度な下落を食い止め、市場に広まる人民元安の予想を修正するのが狙いではないかと市場は受け止めていた。人民銀の6月に入ってからの制度運用でこうした見方が裏付けられた形だ。

みずほ銀行(香港)のアジア外為ストラテジスト、ケン・チュン氏は「人民元は前日の終値が基準値を下回ると、カウンターシクリカル要素が引き金となって中間値が下支えされた。このことは人民元に対する売り圧力の高まりを示している」と述べた。

人民銀の算出モデルを研究している市場関係者によると、ドルが全面的に弱含み、人民元相場が基準値を上回った6月28─30日にかけては、カウンターシクリカル要素は基準値算出に適用されなかったとみられる。

チュン氏は「カウンターシクリカル要素の導入により、人民銀は人民元相場を基準値につなぎ留めることができるようになった」と話す。

アナリストによると、今回の制度改変で人民銀の通貨元政策は透明性が低下したが、一方で人民元は必ず下がるという根深い予想を断ち切ることができたようだ。

算出方法変更から最初の2週間で人民元は概ね安定を保ち、人民元に対する弱気な見方を変える上でカウンターシクリカル要素は有効に作用した。

上海の中国系銀行のシニアトレーダーも「カウンターシクリカル要素の導入で、人民元は上昇し始めるだろうという見方が強まった」と述べた。

一方で6月は中国で企業によるドル需要が高まる季節に当たることから、6月15日─26日にかけて人民元は終値が基準値を下回り、5月下旬から6月半ばにかけての上昇分の半分強を失った。

変更前のモデルは、前日の終値にドル相場の動きを加味して基準値を算出しており、人民銀は人民元が下げると翌日の基準値を人民元安方向に設定せざるを得なかった。

しかしカウンターシクリカル要素の導入で状況は変わった。ゴールドマン・サックスは今週の顧客向けノートで、平均してみると、オンショアの人民元スポットレートが1ピップ下落するごとに、基準値は人民銀の監督下にある中国外貨取引センター(CFETS)のモデルで想定される水準に対して0.7ピップ程度上昇したという。

(Winni Zhou記者、Andrew Galbraith記者)

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