[シドニー 19日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)のマフタ外相は19日、安全保障上の機密情報を共有する5カ国「ファイブアイズ」の役割拡大について「不快感」を表明した。
ファイブアイズにはNZのほか、米、英、カナダ、オーストラリアが参加。中国は最近、ファイブアイズを批判している。
NZにとって中国は最大の貿易相手国。
同相は政府が出資する「NZ中国カウンシル」で演説し、予測可能な外交関係を目指していくと発言。香港の動向や新疆ウイグル自治区のウイグル族の扱いなど、中国との合意が成立していない問題については、指摘していく必要があると発言した。
NZのNewshubによると、同相はその後、報道機関に対し、「ファイブアイズの権限外の様々な問題について(ファイブアイズを通じて)メッセージを発信する」ことは望まないと発言。「ファイブアイズの権限拡大は不快だ」と述べた。
ファイブアイズに参加する5カ国は昨年11月、香港の民主派議員の扱いについて共同声明を発表。その後、中国政府は繰り返しファイブアイズを批判している。
オーストラリアのペイン外相が昨年発表した声明によると、ファイブアイズは昨年、重要な技術、香港の問題、サプライチェーン、新型コロナウイルスの流行など、機密情報の共有以外でも協力することを協議した。
ペイン外相は21日、NZを訪問し、マフタ外相やNZのアーダーン首相と会談する予定。
中国とオーストラリアの関係は悪化しているが、中国とNZは1月に自由貿易協定(FTA)を強化している。
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