[上海 5日 ロイター] - 中国は、気候変動対策の目標達成に向け、2021年にエネルギー強度(一定の国内総生産を創出するのに必要なエネルギー量)を約3%削減する。5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で発表された2021─25年の経済発展5カ年計画で明らかになった。ただ、エネルギー消費量の数値目標は設定しなかった。
中国は二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までに実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指している。
李克強首相は政府活動報告で、2030年の目標達成に向けた「行動計画」を年内に策定するとしたほか、化石燃料への依存を減らすため、全般的なエネルギー構成を改善させると表明した。
2021─25年にエネルギー強度を13.5%、炭素強度(一定のGDPに対する排出量)を18%削減する。
グリーンピース(北京)のシニアアドバイザー、Li Shuo氏は「気候変動問題に取り組むには中国は排出量の伸びをもっと抑制し、今後5年間の早い時期に平たん化させる必要がある」と指摘した。
中国は原子力など新たなエネルギー源の開発を「推進」するとした上で、「石炭のクリーンで効果的な利用」促進を続けるとした。
Li氏は「中国の石炭プラント建設ブームにはまだ終わりは見えない」と述べた。
中国はこれまでの5カ年計画にエネルギー消費量の上限を盛り込んでいたが、今回の計画には盛り込まれず、アナリストの失望を誘った。
フィンランドの研究機関センター・フォー・リサーチ・オン・エナジー・アンド・クリーンエアのアナリストは「2025年までに排出量の伸びが鈍化する保証はない」と述べた。
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