[北京 7日 ロイター] - 中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に提出された計画書によると、中国は新たな金融規制機関である国家金融監督管理総局を設立する。金融監督組織を大幅に見直す。
中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は廃止し、同総局に業務を移管する。
同総局は国務院(内閣)直属となり、証券業以外の金融業界の規制を担当する。中国人民銀行(中央銀行)と中国証券監督管理委員会(CSRC)の一部の業務も同総局に移管する。
計画書によると、同総局は「機構の監督、行動の監督、機能の監督を強化」し、あらゆる種類の金融活動を法律に基づいて監督する。
広範な政府改革の一環で、中央レベルの国家機関職員数は5%削減される。
ニューヨーク大学ロースクールのウィンストン・マー教授(非常勤)、規制枠組みの見直しは、国内・国際の『双循環』と『均一な国内市場』が焦点となったことを反映したものと指摘。「今後は株式、債券、保険といった異なる金融市場が、より全体的な方法で規制されるとともに、金融市場規制と業界の政策立案がより統合されることを示す」と語った。
上海交通大学の李楠副教授(金融論)は、「既存の組織でCBIRCは、米国の通貨監督庁(OCC)と連邦預金保険公社(FDIC)と同等の機能を持つ一方で、中央銀行が一部の規制を担っていた」と指摘。「今後これらの規制機能はすべて新組織が引き継ぎ、基本的にはCBIRCが中銀とCSRCから一部の規制を受け継ぐことになり、役割を引き継いだもので、完全に妥当だ」と述べた。
その上で、「中銀は今後、金融政策に重点を置くようになり、米連邦準備理事会(FRB)の機能に近くなる」との見方を示した。
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