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焦点:中国全人代、指導部は経済改革優先表明へ
2017年3月3日 / 03:30 / 9ヶ月後

焦点:中国全人代、指導部は経済改革優先表明へ

[北京 3日 ロイター] - 中国の指導部は5日開幕する全国人民代表大会(全人代)で、景気刺激策ではなく経済改革を最優先課題に据える方針を示す見通しだ。

 3月3日、中国の指導部は5日開幕する全国人民代表大会(全人代)で、景気刺激策ではなく経済改革を最優先課題に据える方針を示す見通しだ。写真は、全人代を控え、北京の天安門広場で警備にあたる武装警察隊員(2017年 ロイター/Thomas Peter)

昨年の政府支出拡大などの成長促進策により、政策当局者の間では債務の増大や住宅市場の過熱化、金融の安定性を巡り警戒感が広がっている。

指導部は、今年は成長の小幅な鈍化を受け入れ、痛みを伴う改革をある程度押し進める余地を広げて、急速に積み上がる債務に対処するとみられる。

李克強首相は開幕初日の政治活動報告で主要な経済目標を公表する。今年の成長目標は6.5%と、昨年の6.5─7%から引き下げられる見込み。

内部関係者によると、政府は製造業の生産能力を削減し、民間企業のインフラ投資を容易にするほか、サービス業を外国人投資家に開放するといった取り組みで資本流出の食い止めを図る。

ある政策顧問は「今年は構造調整と供給サイドの改革が主な焦点になる。経営効率の悪いゾンビ企業向けの資金供給と融資を維持すれば、こうした企業の負債はさらに増え続ける」と話した。

中央銀行は負債の増大を防ぐために緩やかな金融引き締め姿勢を取りつつ、成長を阻害しないよう慎重な政策運営を行ってきた。今年は成長目標がやや緩められ、中銀に対するプレッシャーはいくらか弱まるだろう。

指導部は既に金融危機と資産バブルへの対応に重点を移すと表明している。ただ、秋に予定されている共産党第19回全国代表大会で指導部の円滑な交代を進めるため、経済の安定も維持する意向だ。

招商証券のエコノミストのZhang Yiping氏は「目先の成長ペースが速すぎると長期的には経済への不安が増す。成長はいまだに重工業や不動産などのセクターに依存しているからだ」と話した。

<ブラックスワン>

中国政府は世界金融危機の際に巨額の景気刺激策を実施。景気は勢いを増したが地方政府の債務は膨らみ問題が悪化した。

UBSのアナリストチームの試算によると、中国の債務の対国内総生産(GDP)比は2015年が254%、16年が277%で、今後2年以来に300%を超えそうだ。

昨年の政府系機関を含む政府債務のGDP比は68%で前年の62%から上昇。企業債務のGDP比も153%から164%に上がった。

指導部は広範な市場改革を実施して2020年までにはっきりした成果を上げるとしている。一方で2016─20年の成長率は最低でも6.5%に設定し、2010─20年にGDPと国民1人当たりの所得を倍増するとの長期目標も達成しなければならない。

昨年の成長率は6.7%で、最近の経済指標からは成長の安定が読み取れる。しかしトランプ政権が保護貿易主義的な姿勢を打ち出しているため、貿易紛争懸念は根強い。トランプ大統領は中国は為替を操作していると繰り返し非難している。

別の政策顧問は「対外的なリスクが高まっている。国際的にはブラックスワン(予想困難だが発生した場合は強い衝撃をもたらす事象)が目白押しで、中国に影響を及ぼしかねない」と述べた。

(Kevin Yao記者)

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