[14日 ロイター] - 米企業に対するサイバー攻撃を調査したセキュリティ会社4社が、最近米国で急増している「ランサムウエア」犯罪の背景に、過去に中国政府の支援でハッキングを行っていたハッカーの存在があるとの見方を示唆した。
身代金要求型ウィルスである「ランサムウエア」は、標的のコンピュータ内のファイルを暗号化し、解除するために支払いを要求するなどの現象を起こす。これまでは通常のサイバー犯罪の範疇と認識されてきたが、過去3カ月間に起きた少なくとも数件のケースで、ネットワークに侵入し動き回る技術、あるいは侵入を管理するソフトなどから、中国政府の支援を受けた過去の攻撃方法に類似した洗練された手法が見られるという。
調査に参加したアタック・リサーチ社のバル・スミス最高経営責任者(CEO)は、確信はできないが、調査にあたった企業はこれらのケースは中国の高度なハッカー集団の仕業と結論付けたと述べた。
この現象の背景についてはさまざまな議論があるが、根拠がなく、確かな結論も得られていない。ただ、昨年末に米中両政府が経済スパイ対策を立てることで合意して以後、中国政府のハッカー行為への支援が縮小された可能性があるという。
スミスCEOは、中国政府お抱えのハッカーらが失業したり仕事が減ったりし、「ランサムウエア」を使った収入獲得に動いていることが考えられる、と指摘した。
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