[北京 17日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は17日、銀行の預金準備率を25ベーシスポイント(bp)引き下げると発表した。引き下げは今年初めて。
流動性を放出し、景気を下支えする。
3月27日から実施する。準備率が5%の銀行を除く全ての銀行が対象。
人民銀行は市場の予想よりも早く預金準備率の引き下げに動いた。
国泰君安国際のエコノミスト、周浩氏は「政策当局者者は経済の勢いを維持したいと望んでいる」との見方を示した。
中国民生銀行のチーフエコノミスト、ウェン・ビン氏は「現在海外銀行部門のリスクが高まり、世界の流動性は圧力を受けている。外部環境はますます複雑化している」と指摘した。
「1─2月の中国主要経済指標は明るい傾向が見られたが、全体的な回復基盤はまだしっかりしていない」と述べた。
人民銀行は今回の措置でどの程度長期資金が放出されるのか明らかにしていない。アナリストは5000億元(726億ドル)以上とみている。
人民銀行は今回の引き下げについて「マクロ政策をうまく組み合わせ、実体経済向けのサービスのレベルを改善し、銀行システムの流動性を適度に十分な水準に維持する」狙いがあると説明。
国営メディアによると、李強新首相は大きなリスクを避けながら経済全体の改善を推進すると表明した。
キャピタル・エコノミクスのジュリアン・エバンズプリチャード氏はメモで「これは中国の大手銀行と中規模銀行にとって、若干の追い風になる」と予想した。
「(銀行の)貸出金利が若干引き下げられるかもしれない。しかし抑制的な政策の兆候が見られることから、金融情勢や信用の伸びに重大かつ持続的な影響を与えるとは考えにくい」と分析した。
今回の引き下げにより、金融機関の預金準備率は加重平均で7.6%前後になる。
中国経済は昨年12月の新型コロナウイルス規制解除後、緩やかに回復しているが、中国指導部は景気支援を強化する方針を示している。
人民銀行は昨年12月に預金準備率を25bp引き下げていた。
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